研究課題/領域番号 |
20390201
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
小牧 元 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 部長 (70225564)
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研究分担者 |
猪子 英俊 東海大学, 医学部・分子生命科学, 教授 (10101932)
安藤 哲也 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 室長 (50311428)
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キーワード | 神経性食欲不振症 / 摂食障害患者 / 感受性遺伝子 / ゲノムワイド相関解析 / マイクロサテライト / SNP |
研究概要 |
摂食障害遺伝子研究協力者会議への参加機関から収集されたAN症例群を解析対象とした。本年度は、先行研究でANと関連が検出された10のMSマーカーについて、先行研究とは独立のAN群187名、対象群144名のサンプルで関連の有無を再度検討した。その結果、GWASのデータと今回得られたデータを比較して、関連を示すアリルが一致し、その頻度傾向が一致し、さらにHWEからの偏差がないものは1遺伝子座でD1S0562iであった。このD1S0562i領域について、Causative variantを探索する目的で、すでに得られている29SNPとこのマイクロサテライトの遺伝子型を基に、Phaseプログラムを用いてハプロタイプを推定した。その結果、D1S0562i単独よりもオッズ比よりも高い二つのハプロタイプが推定された。しかしながら、この結果のみでどの領域に対象にCausative variant探索を行うか、有益な情報が得られたとは言い難い。そこで本データからEHH (extended haplotype homozygosity)解析を行った。これは連鎖不平衡が任意のコア領域からの距離が増加した段階でどのように切断されるか否か、各ハプロタイプの長さに応じてステップワイズにハプロタイプホモ接合度(HH)を計算する方法である。その結果、今後数百キロに渡ってマイクロサテライトやSNPを用いて、このハプロタイプの全容を明らかにし、次世代シークエンサーにてCausative variantを探索する必要があると考えられた。引き続き、患者および対照者の試料の収集とSNPマーカーを用いたGWAS実施の組織と基盤作りを、プロジェクトリーダー(小牧)のもと、事務局(国立精神・神経医療研究センター)、試料提供協力機関(遺伝子研究協力者会議メンバー)、試料保管機関、遺伝子解析機関(国立精神・神経医療研究センター、東海大学)からなる研究体制を確立、実施した。
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