研究課題
C型肝炎患者の肝臓に蓄積する脂肪には特徴があり、オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸(モノエン酸)が増加している。不飽和脂肪酸の増加をもたらすdesaturase活性はコア蛋白発現HepG2細胞においてδ-9、δ-6、δ-5 desaturaseのいずれもが亢進していた。多価不飽和脂肪酸(PUFA)であるeicosatetraynoic acid (EPA)やarachidonic acid (AA)の投与によって一価不飽和脂肪酸はコア蛋白非特異的に減少したが、活性酸素種(ROS, reactive oxygen species)は減少しなかった。これに対して、ピルビン酸の投与によって解糖系においてNADHを消費させると、中性脂肪、一価不飽和脂肪酸、ROS産生のいずれもがコア蛋白発現細胞で特異的に減少した。コア蛋白発現HepG2細胞において、対照細胞に比して発現の増加していた脂質代謝遺伝子の発現制御に重要な転写因子であるSREBP-1cは、EPAやAAの投与によって低下が認められた。HCVによるミトコンドリア電子伝達系の機能障害が、ROS産生、脂質代謝異常を含むC型肝炎の肝病態において中心的な役割を演じている事が示された。一方、C型肝炎患者にみられる鉄過剰状態を、マウスへの腹腔内鉄投与によりシミュレートしたところ、鉄増加時に誘導される抗酸化系酵素であるヘムオキシゲナーゼ(HO)-1とNADH dehydrogenase, quinone (NQO)-1がHCVコア蛋白存在下では誘導が阻害され、酸化ストレス消去能が低下することが見いだされた。HO-1制御因子として知られている転写因子Nrf2は、この現象に関与していなかった。HCVは酸化ストレス産生を増加させるだけでなく、抗酸化系を阻害し、酸化ストレスをより増悪させることが明らかになった。
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