研究課題
病原性を規定するHCVゲノム領域の解明● インターフェロン治療後にHCV排除が得られなかったにも関わらず肝発癌の見られなかった症例と、肝発癌の認められた症例について、治療前の保存血清50症例からHCVの全ゲノム解析を行い、このような肝発癌にかかわるHCVゲノムの特徴を探索し、候補となる変異を同定した。● 肝移植症例については、治療前後および肝炎再発時のHCV全ゲノム解析を行い、肝移植後の肝炎病態を規定するゲノム多型の探索を開始した。抗ウイルス治療反応性を規定するHCVゲノム領域の解明● インターフェロン・リバビリン併用療法でHCV増殖の消失しない治療抵抗症例において、治療前および治療中のHCVゲノム構造を同一症例で比較検討することにより、治療中に選択され残存する治療抵抗性HCV変異体のゲノムの特徴を明らかとし、治療反応性を規定しているゲノム領域を探索した。その結果、NS5AのISDR領域の変異は治療早期のウイルスの急速な減少に関連しており、一方、core蛋白70番アミノ酸変異は、ペグインターフェロン・リバビリン治療でもウイルス減少の認められないnull responseに関連していることを明らかとした。● 同様の検討をgenotype 2についても施行し、core領域内の70番アミノ酸とは異なる領域に感受性に関連している可能性のある残基を同定した。プロテアーゼ阻害剤の耐性にかかわるNS3領域の変異の探索を開始した。
すべて 2008
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