研究課題/領域番号 |
20390206
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
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研究分担者 |
前川 伸哉 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (70397298)
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キーワード | HCV / Peginterferon / Ribavirin / NS5A / ISDR / コア蛋白 / IRRDR |
研究概要 |
病原性を規定するHCVゲノム領域の解明 肝発癌にかかわるHCVゲノムの特徴を探索し、コア70番アミノ酸の変異が関わることを明らかとした。さらにコア70番変異は肝病変の進展と関連し経時的に変化すること、一部の症例においては患者体内において混在状態となっていることを明らかとした。またコア70番の変異は宿主側のIL28B遺伝子多型と密接な関連があるが発癌に関与しているのはコア70番変異でありIL28Bは発癌には直接の関連はなかった。 抗ウイルス治療反応性を規定するHCVゲノム領域の解明 インターフェロン・リバビリン併用療法での治療効果はISDR変異症例については非常に高いことを確認した。一方、コア70番変異は抵抗性に関与するがこれは主としてIL28B遺伝子多型を介する間接的なものであり、治療抵抗性はIL28B遺伝子より規定されていた。さらにIL28B major typeにおいては著効例と再燃例が存在するがこれはNS5AのIRRDR変異によって規定されいることを明らかとした。すなわちHCVのNS5Aがインターフェロン治療のウイルス側の反応性全般を規定していることが明らかとなった。 HCV増殖を制御する宿主分子群の包括的解析 IL28Bおよびinterferon-alphaをHCV培養細胞に添加しHCV増殖抑制効果を検討、両者がHCV増殖を特異的に阻害することを確認した。さらにIL28Bおよびinterferon-alphaを同時に添加すると相乗的な抑制効果が得られた。これらの条件でDNA microarrayを用いて細胞内の遺伝子発現の変化の包括的検討を行い、両者ともに多数のISGを誘導すること、同時添加の場合には一群のISGが特に大きく変動することを見出し、これらがHCV増殖抑制においては特に重要な役割を果たしいる可能性が示唆された。
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