研究課題/領域番号 |
20390209
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
汐田 剛史 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70263457)
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研究分担者 |
栗政 明弘 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80343276)
星川 淑子 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10181489)
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キーワード | レチノイン酸 / 応答遺伝子 / インシリコ解析 / 肝細胞癌診療 |
研究概要 |
ビタミンAの誘導体であるレチノイドは、肝細胞癌などの種々の癌腫に対して抑制作用を有することが報告されている。レチノイドの作用は複数の遺伝子群の作用に他ならないと。レチノイン酸の応答遺伝子はそのまま肝細胞癌の抑制に重要な遺伝子群の同定につながる可能性を秘めている。 レチノイン酸の標的遺伝子の同定は、2個のAGGGTCTの5塩基(DR5)を挟む配列(RARE)を有する。そこで、本研究では、インシリコ解析とウエット解析を併用し、レチノイン酸の応答遺伝子を見出し、肝細胞癌診療に応用することを目的とする。まず、第一にゲノム上にレチノイン酸の応答配列DR5をもつESTを抽出する。つまり、ゲノム配列上にマッピングしたクラスター化したスプライスEST及びmRNA分子の全体像を示すESTクラスターテーブル(RNACLUSTER)をヒトゲノム塩基配列データへマッピング処理を行い、rnaCluster配列ファイルを作成した。各RNACLUSTERのマッピング(1)の上流5kbmでの塩基配列ベースを作成した。このデータベースより、5'上流にRARE配列をもつデータベースを作成し、この配列をゲノム上にマッピングし、レチノイド応答遺伝子のリスト作成した。第2に、この配列と結合することをChlP解析により、明らかにし、実際にレチノイン酸受容体が結合することを確認する。さらに、3番目に実際レチノイン酸により、誘導され応答する遺伝子を見出すことを行った。この操作により、27遺伝子を新たに見出した。22遺伝子は既知遺伝子であり、5遺伝子は未知遺伝子である。 これらの遺伝子の機能解析をすすめ、肝細胞癌の診断、治療などに応用できる遺伝子を探索する予定である。
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