研究課題/領域番号 |
20390220
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
眞鍋 一郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70359628)
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研究分担者 |
藤生 克仁 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30422306)
大石 由美子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80435734)
西村 剛 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20422305)
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キーワード | メタボリックシンドローム / 動脈硬化 / 転写因子 / 小胞体ストレス / 翻訳後修飾 |
研究概要 |
過剰なカロリー摂取と運動不足による肥満の急増とともに、肥満を基盤として高血圧、耐糖能異常や脂質代謝異常を併発するメタボリックシンドロームが心血管疾患の最重要なリスクファクターとして注目されている。ところが、メタボリックシンドロームが易動脈硬化状態となるメカニズムはまだよく分かっていない。本研究計画では肥満を背景とする心血管疾患と代謝疾患の分子機構について、特に血管への遊離脂肪酸を中心とする代謝的なストレスへの応答機構に着目し、その情報を伝達する小胞体(ER)ストレス応答機構、ストレス応答の遺伝子発現を制御する転写ネットワークの翻訳後修飾を解析し、メタボリックシンドローム下での動脈硬化発症分子機構を明らかにする。また血管系の知見に基づいて代謝組織の病態形成ストレス応答機構の解析を行い、肥満を背景として進展する心血管代謝疾患に共通な分子基盤を明確にすることを目的とする。さらに、これらシグナル分子機構を標的とする新規診断治療戦略へのトランスレーションを進めることを目的として研究を行った。その結果、遊離脂肪酸が、血管及び膵ラ氏島で小胞体ストレスを惹起し、両者の機能障害を引き起こすことを見いだした。さらに、その情報伝達経路の解析を行い、TLR4シグナルと酸化ストレスが重要であることを同定した。また、膵β細胞においては小胞体ストレスパスウェイも重要な意義を持つことを見いだした。これらの結果は、血管と膵ラ氏島で同様の病態惹起メカニズムが機能していることを示唆する。
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