研究課題
海外では、急性心筋梗塞患者を対象に骨髄細胞を冠動脈内に直接注入する再生治療の臨床研究が行る。本研究では、GlucNAc結合型レクチンを利用することにより、骨髄単核球を静脈からの全身投与て虚血心筋に集積させ、再生治療に応用可能になると考え、検討を進めている。本年度は、昨年度の研究をさらに発展させ、心筋細胞のGlcNAc結合型レクチンの同定を行い、筋原質であること、さらにアミノ酸シークエンスや質量分析(TOF-MAS)によりビメンチンとデスミンの可いことを明らかにした。さらに昨年度に引き続き、GlcNAcで修飾した骨髄単核球が心筋細胞のGlcNAc結合型レクチンに接着により、高率良く心筋細胞に分化するかについて検討した。まず、ラットより骨髄単核球GlcNAc-lipophilic polymerを用いて単核球表面にGlcNAcを修飾した。次に、このGlcNAc修飾骨髄単核ト培養心筋細胞とin vitroで反応させたところ、有意に心筋細胞への接着が亢進した。さらに、心筋着した骨髄単核球の多くが心筋細胞様形質を呈したが、これは骨髄単核球と心筋細胞のfusionによるなく、骨髄単核球の心筋細胞へのdifferentiationによるものであることが明らかになった。以上の結果から、骨髄単核球をGlcNAcで修飾することにより、全身投与で虚血心筋への輸送、再生治療へ応用が可能であることが明らかになった。
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