研究課題/領域番号 |
20390222
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
池田 宇一 信州大学, 医学系研究科, 教授 (30221063)
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研究分担者 |
小山 潤 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (10303463)
伊澤 淳 信州大学, 医学系研究科, 助教 (50464095)
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キーワード | 再生医療 / 糖鎖 / 心筋細胞 / 心筋梗塞 / 動脈硬化 |
研究概要 |
これまでにN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を修飾したリポソームが、心筋細胞や血管平滑筋細胞に特異的に取り込まれることを見出し、通常は細胞に取り込まれない親水性の物質をこのリポソームによって細胞内に特異的に取り込ませることに成功した。引き続き、このGlcNAcに結合する新規分子を培養心筋細胞および血管平滑筋細胞から抽出し、SDS-PAGEにより約50-KDの分子であることを確認し、二次元電気泳動によりこの分子が筋原線維蛋白質の機能があることを明らかにした。さらに本分子の同定を行い、中間径フィラメントと呼ばれるファミリーに属するビメンチンとデスミである可能性が高いことを明らかにした。そこで平成22年度は、ビメンチン・デスミンにおけるGlcNAc結合部位の同定を試みた。ビメンチン・デスミンはそれぞれ相同性が高く、rod Ibドメインとrod IIドメインの組み替えタンパク質を作成し、人工糖鎖高分子であるPV-GlcNAcへの結合活性を表面プラズモン共鳴解析および共焦点レーザー顕微鏡による解析によって検討した。その結果、ビメンチン・デスミンのrod IIドメインがPV-GlcNAcに対して非常に高い相互作用を示すことが明らかになった。さらにrod IIドメインの組み替え蛋白質を利用してrod IIドメインを特異的に認識する抗血清を作製し、細胞表面におけるビメンチン・デスミンの局在を免疫染色によって調べたところ、rod IIドメインが細胞表面に局在していることが明らかになった(Ise et al.Glycobiology.2010;20:843-64)。
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