研究課題
革新的な心筋再生医療法の開発に向けて、心臓内幹細胞の自己増殖制御因子の網羅的探索を精力的に進め、また、新たに単離に成功した筋組織特異的構造蛋白MURCの細胞内並びに生体内における心機能維持の役割について、次のように明らかにした。1)心筋幹細胞を認識するSca-1をノックダウンさせたマウス及びSca-1 promoter依存性に持続活性型Akt1をノックインさせたマウス成熟心臓内から単離精製した幹細胞の遺伝子プロファイルを網羅的検索し、約20個の候補遺伝子の同定に成功した。各種レトロウイルスや包括的ノックダウンシステムを用いて細胞内での機能検証し、最終候補因子の絞込みを行っている。2)新規単離にした心筋構造蛋白の心不全における機能的重要性を明らかにするため、米国テキサス大学との共同研究で、約1000例のヒト心筋症の遺伝子配列を網羅的に検索し、約5%のヒト心筋症症例より、発症した重度心不全の患者さんにMURCの突然変異があることが明らかとなった。臨床像の特徴は、拡張型心筋症に多く、黒人の心不全症例にMURCの突然変異があることが確認された。現在、同定された7つのバリアントについて、MURCの変異ウイルスを作成し、心筋細胞内での心筋維持について詳細に検討中である。また、特異的結合蛋白についても、3種新たに同定した。3)生体内でのMURCの役割について検討するため、心臓特異的MURC欠損マウスを作成した。MURCのexonlを標的としたMURC flox/floxのコンストラクトをマウス受精卵に注入し、キメラマウスの誕生後、継代的に繁殖させ、心臓特異的プロモーターで制御されているMHC-2v Creマウスとの掛け合わせで、心臓特異的MURC欠損マウスを入手し、様々な環境下でのマウス心機能を解析する。
すべて 2010 2009 2008
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (9件) 図書 (5件) 産業財産権 (1件)
Mol Cell Biol. 28
ページ: 3424-3436
Am J Physiol Cell Physiol. 295
ページ: C490-C498
J Biol Chem. 283
ページ: 26705-26713
J Cell Mol Med. 12
ページ: 2217-2232
Am J Physiol Heart Circ Physiol. 295
ページ: H2512-H2521
J Am Coll Cardiol. 52
ページ: 1858-1865