研究課題
H21年度は細胞表面マーカーであるCD133陽性細胞を幹細胞のマーカーとしてin vitroおよびin vivoの実験を行った。非小細胞肺癌19株の中で、RERF-LC-Ad2(CD133陽性3%)を主に用いて実験を継続した。RERF-LC-Ad2(1x10^6個)担がんマウスにCDDP投与後に凍結切片を作成し、CD133抗体で免疫染色を行ったが、明らかなCD133陽性細胞の増加は観察できなかった。CD133陽性細胞群の分離をMACSやフローサイトメーターを用いて試みてきたが、十分な細胞数の獲得に至っていない。一方、肺癌幹細胞の起源であるとされる肺前駆細胞の解析を、マウスを使用して行ってきた。CD45-CCSP+SP-C+である肺前駆細胞を、蛍光染色を用いて同定することに成功した。更に、フローサイトメーターを用いて定量化する方法を確立した。その結果、この細胞群は出生直後に増加しその後漸減していくことが明らかとなった。また、ナフタレンを用いて気道上皮細胞傷害後の肺前駆細胞を検討した結果、修復過程において前駆細胞の増加が確認された。現在、ブレオマイシンを用いた肺胞上皮細胞傷害モデルにおける肺前駆細胞の動態を解析中である。
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