研究課題
1999年に我々は自己免疫性(特発性)肺胞蛋白症の肺及び血液に高濃度の抗GM-CSF自己抗体が存在することを発見し、この疾患の病因であることを提唱してきたが、最近、米国のグループが本自己抗体をカニクイザルに投与し、発症させることに成功し、病因であることが証明された。残る最大の問題は、何故自己抗体が過剰に産生されるのかということである。本研究において我々は、健常血清中にも微量の抗GM-CSF自己抗体が存在することを発見し、患者と健常者で自己抗体のアイソタイプの分布と性状の相違を調べたところ、患者でIgG型、IgM型の自己抗体が50~100倍高く、かつ寛解に入った患者では、観察前後の抗体量が有意に減少していた。IgM型抗体産生B細胞は、IgG型に比べてavidityが1000分の1程度と弱く、かつ抗原特異性も低いことから、IgG型抗体産生B細胞のプロトタイプであると思われた。また、in vitroで末梢血単核球にEBvirusを感染させて、IgM型、IgG型抗体産生B細胞を惹起させたところ、IgM型抗体産生B細胞は、健常者も患者も等しい頻度で存在しでいるが、IgG型抗体産生B細胞は、患者に高い頻度で出現した。また、患者の末梢血単核球には、GM-CSFに反応し、増殖するT細胞が存在することが示唆された。以上のことから、自己免疫性肺胞蛋白症において抗GM-CSF自己抗体が過剰に産生される機序としてGM-CSFを抗原とする自己反応性T細胞が介在して、naiive B細胞のsomatic hypermutation, class switchが起こり、GM-CSF自己抗体産生memory B cellに分化していくことが想定される。
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