研究課題
本研究は、小児期腎不全の主要な原因である先天性腎尿路奇形(Congenital anomalies of kidney and urinary tract : CAKUT)を対象に、遺伝子欠失、重複などが頻繁に起こるcopy number variation(CNV)領域を、世界最高水準の解析技術を用いて網羅的・系統的に解析することにより、CAKUTの新規原因遺伝子の同定を行うとともに、新規遺伝子を含めたCAKUT遺伝子診断システムを確立することを目的とする。我々は、腎低形成、腎異形成、多嚢胞性異形成腎、腎無形成などのCAKUT症例54例を対象として、全染色体のCNV領域を中心とした35万個のプローブ(プローブ間隔:約1kb)を持つAgilent genomewide CNV 400k arrayを用いて、CAKUT症例にのみ認められコントロールには認められないCNV、あるいはCAKUT症例には比較的多数認められるがコントロールにはごくわずかしか認められないCNVを約40個検出した。この40個のCNV領域を病院候補ゲノム領域とし、この領域をさらに詳細に解析するために、プローブ数:約4万8千個、プローブ間隔約100bpのAgilent eArray(カスタムタイリングアレイ)を作成し、二次スクリーニングを行った。その結果、CAKUT症例の一部にのみ認められコントロールには認められないヘテロ接合体microdeletion、microduplicationをそれぞれ一つずつ検出した。また、CAKUT症例には比較的多数認められるがコントロールにはごくわずかしか認められないmicrodeletionやmicroduplicationも複数検出した。これらのmicrodeletionやmicroduplication領域内や近傍には、いくつかの遺伝子が存在しており、これらの遺伝子がCAKUTの新規原因遺伝子あるいは疾患感受性いでんしである可能性が高いと考えられた。
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