研究課題/領域番号 |
20390243
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
足立 弘明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE特任講師 (40432257)
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研究分担者 |
祖父江 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20148315)
田中 章景 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30378012)
勝野 雅央 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (50402566)
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キーワード | 球脊髄性筋萎縮症 / 分子シャペロン / トランスジェニックマウス / アンドロゲン受容体 / CAGリピート / ユビキチンープロテアソーム系 / 17-DMAG / Hsp90阻害剤 |
研究概要 |
ポリグルタミン病を始めとする神経変性疾患は、神経細胞内に変異した蛋白質が蓄積して病態が形成される。分子シャペロンとユビキチンープロテアソーム系(UPS)は、細胞内の変異蛋白質を処理して無毒化するシステムとして重要であるが、多くの神経変性疾患では、この分子シャペロンーUPSの機能を超えて神経変性の原因となる変異蛋白質が蓄積され、神経毒性が惹起されると考えられる。ポリグルタミン病のうち球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は、伸長ポリグルタミン鎖を有する変異アンドロゲン受容体(AR)が細胞内に集積し、神経細胞の機能障害や変性が惹起される。本研究では、CAGリピートが異常延長したヒト変異ARを発現するトランスジェニックマウスモデル(SBMA-Tg)を使用して、SBMAのモデルに対する経口Hsp90阻害剤である17-(dimethylaminoethylamino)-17-demethoxygeldanamycin (17-DMAG)の治療効果を検討した。17-DMAG投与群では、変異ARの分解が促進され、分子シャペロンが高発現し、SBMA-Tgの運動能、生存率、体重が改善した。また、SBMA-Tgの脊髄ではプロテアソーム機能が保たれ、筋肉ではむしろ増加しており、17-DMAGは保たれたプロテアソーム機能を基にして、治療効果を発揮した。17-DMAGは、SBMAの病態を抑止して治療効果を発揮したと考えられた。
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