研究課題
本研究は、骨密度および定量的な生活習慣・臨床情報を含む4,000名の試料を有するゲノムコホート集団について高密度SNPによる全ゲノム相関解析を実施して骨密度に関与する遺伝子を検出し、検出された骨密度規定遺伝子の単独、あるいは複数での骨密度に対する効果を生活習慣と共に評価することを目的とする。本研究により、将来の骨粗鬆症のテーラーメード医療構築の基礎データを得ることが期待される。さらに本研究は追跡研究に連結しており、検出された遺伝子の効果が時系列で検証できる。平成20年度より30万SNPチップ(Illumina社HumanCNV370-duo)を用いた全ゲノム相関解析による、骨密度を規定する日本人に特異的な遺伝子の網羅的同定を施行した。「大規模コホートに基づく生活習慣病研究教育」のゲノム疫学コホートの部分研究として、福岡市東区に在住する50~74歳の女性を対象に骨密度検診を実行、受診女性約4,000名からなる「福岡骨粗鬆症コホート」が既に存在する。この中で、骨密度に影響する因子(薬剤内服、骨代謝に影響する疾患、異常な婦人科疾患既往歴)を有する者を除き、骨密度と年齢、BMIの相関式を算出した。これを基に年齢、BMIを補正した骨密度の分布より、上下位200名について、SNPタイピングを施行、30個の候補SNPを検出した。この候補SNPについて、残り約3,000名について骨密度との関連解析を行い、複数の候補遺伝子を検出した。このうち関連の最も強い遺伝子について骨代謝における機能解析を行うため、骨芽細胞での発現解析、遺伝子改変マウスの作成による解析を行った。また対象女性の追跡検診を行い、約1,300名の骨密度測定を完了した。候補遺伝子と骨量の経時的変化について解析中である。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Mol Cell Endocrinol
巻: 319(1-2) ページ: 14-22
Circulation
巻: 121(21) ページ: 2302-2309
Diabetes Res Clin Pract
巻: 88(1) ページ: 103-110