研究課題/領域番号 |
20390265
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研究機関 | 国立成育医療センター(研究所) |
研究代表者 |
深見 真紀 国立成育医療センター(研究所), 周産期病態研究部, 室長 (40265872)
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研究分担者 |
緒方 勤 国立成育医療センター(研究所), 小児思春期発育研究部, 部長 (40169173)
和田 友香 国立成育医療センター(研究所), 小児思春期発育研究部, 流動研究員 (80399485)
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キーワード | 生殖内分泌学 / 性分化 / Notch / ステロイド / MAMLD1 |
研究概要 |
Mastermind like domain containing 1(MAMLD1)の機能喪失変異が、性分化・生殖機能異常を招く機序について研究を行い、以下の成果が得られた。 (1)MAMLD1蛋白が、Notchシグナル伝達の共役因子であるMastermind like 2蛋白との相同性を有すること、細胞内において非古典的Notch標的遺伝子であるHes3のプロモーターを活性化すること、さらにMAMLD1の発現が性分化遺伝子発現のマスター遺伝子であるSF1/AD4BPにより制御されている可能性を見いだした。また、MAMLD1のHes3活性化が、DNAへの直接結合に依存しない可能性を見出した。以上の成果に基づいて、MAMLD1という遺伝子名をHUGO Gene Nomenclature Committeeに提唱し、正式遺伝子名として承認された。 (2)RNA干渉の手法を用いた一過性発現抑制実験により、MAMLD1が、増殖速度増加とステロイド産生酵素活性の発現量増加を介して、ホルモン産生腫瘍細胞におけるテストステロン産生とエストロゲン産生の調節に関与する可能性を見いだした。 (3)外性器異常症患者において、新規MAMLD1変異を同定し、機能解析を開始した。また、卵巣機能不全患者において、ミスセンス変異を同定し、MAMLD1が胎児性分化決定期の男性ホルモン産生のみならず、成人女性における卵巣機能にも関与する可能性を見出した。
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