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2010 年度 実績報告書

先端ゲノミクスによる造血器腫瘍の治療・診断標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 20390266
研究機関東京大学

研究代表者

小川 誠司  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60292900)

キーワードゲノミクス / 造血器腫瘍 / 分子標的 / 遺伝子診断 / ゲノム異常
研究概要

急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)および関連疾患について、その発症に関わる遺伝学的基盤の解明と新たな治療・診断の標的分子を同定することを目的として、これらの疾患を有する20例の代表的な症例について全エクソンにおよぶ変異解析を行った。すなわち、各症例について腫瘍および正常対象(CD3陽性細胞)よりゲノムDNAを抽出し、断片化したゲノムDNA断片より、SureSelect【○!R】システムを用いてエクソン配列を濃縮したのち、Illumina社GAIIxシーケンサを用いて得られた濃縮DNA断片のdeepリシーケンスを行った。腫瘍細胞に検出された塩基置換のうち、SNPデータベースおよびCD3陽性分画に認められた塩基置換を体細胞変異の候補として抽出したのち、最終的にSangerシーケンスにより体細胞変異の確認を行った。その結果、計219個(一例あたり10.9個)の体細胞変異が同定された。今回の全エクソンリシーケンスによって、TP53,RUNX1,RAS,c-CBL,TET2,EZH2,ASXL1,JAK2,and IDH1/2など、従来骨髄系腫瘍の標的遺伝子として同定されていた遺伝子の変異がおおむね確認されたが、これらに加えて、クロマチン制御やエビジェネシスの制御に関わる遺伝子の変異やDNA修復に関わる遺伝子の変異など、従来未報告の多数の新たな遺伝子変異が同定された。本研究により、前年度までの本研究で得られたSNPアレイデータと併せて、AML、MDSおよび関連骨髄系腫瘍の発症の遺伝学的基盤にかんする重要な知見が得られた。今後、全エクソンのみならず全ゲノムを対象としてリシーケンスをさらに多数の腫瘍検体について行うことにより、これらの疾患の分子病態の全体像の解明と診断・治療の有用な分子標的の同定が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A nonsense mutation of IDH1 in myelodysplastic syndromes and related disorders.2011

    • 著者名/発表者名
      吉田健一, ら
    • 雑誌名

      Leukemia.

      巻: 25 ページ: 184-186

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IDH1 and IDH2 mutations are rare in pediatric myeloid malign ancies.2011

    • 著者名/発表者名
      大木健太郎, ら
    • 雑誌名

      Leukemia

      巻: 25 ページ: 382-389

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prevalence and prognostic impact of allelic imbalances associated with leukemic transformation of Philadelphia chromosom e-negative myeloproliferative neoplasms.2010

    • 著者名/発表者名
      Thoennissen NH, ら
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 115 ページ: 2882-2890

    • 査読あり
  • [学会発表] Genetic basis of myelodysplastic syndromes and related disorders2010

    • 著者名/発表者名
      小川誠司
    • 学会等名
      第72回日本血液学会総会EHA合同シンポジウム
    • 発表場所
      パシフィコ横浜会議センター
    • 年月日
      2010-09-26

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公開日: 2012-07-19  

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