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2009 年度 実績報告書

新規血小板活性化受容体CLEC-2と生体内リガンドポドプラニンの血栓症での役割

研究課題

研究課題/領域番号 20390268
研究機関山梨大学

研究代表者

尾崎 由基男  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30134539)

研究分担者 井上 克枝  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (10324211)
井上 修  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (00432154)
佐藤 金夫  山梨大学, 医学部, 助手 (20242662)
キーワード血小板 / CLEC-2 / podoplanin / 動脈硬化 / 動脈血栓症
研究概要

【目的】我々は、ロドサイチンという血小板活性化蛇毒の受容体がCLEC-2であることを見出した。いくつかの腫瘍細胞に発現するポドプラニンという膜蛋白は、血小板凝集を惹起して癌の転移を促進するため、癌転移抑制薬の有望なターゲットと考えられたが、血小板側の受容体はこれまで不明であった。我々は、ポドプラニンの血小板上受容体がCLEC-2であることを見出した。これよりCLEC-2は抗転移薬の標的として注目された。本研究課題ではCLEC-2/ポドプラニンの相互作用が血栓症発症にも関与する可能性を検証する。【方法と今までの経過】研究期間内に1)ポドプラニンは通常の血管内皮に発現しないが、動脈硬化部位での発現の確証、2)生理的なフロー条件下あるいは生体内でのCLEC-2-ポドプラニン相互作用の血栓形成における役割、3)CLEC-2欠損マウスを使用して、CLEC-2自体の生体内での血栓止血における役割、を明らかにする。昨年度、CLEC-2欠損マウスが胎生致死であることが判明し、Mx-Creシステムを使ったコンディショナルノックアウトを作製したが、完全な蛋白欠損が得られなかった。【本年度の成果】そのため、放射線照射マウスにCLEC-2-/-胎仔肝細胞を移植した放射線キメラマウスを作製した。CLEC-2-/-キメラの血小板はロドサイチンに反応しなかったが、それ以外の血小板活性化物質には野生型と同様に反応して活性化され、コラーゲン等の細胞外マトリクスにも野生型と同様に粘着した。しかし、コラーゲン上にフロー条件下で全血を流した際の血栓形成や、レーザー傷害によるin vivo血栓形成はCLEC-2-/-で著しく抑制され、CLEC-2は生体内で血栓の増大や安定化を担っていることが示唆された。さらにそのメカニズムとして、血小板のCLEC-2同士がホモフィリックに結合して血栓を安定化していることを見出した。CLEC-2-/-キメラは出血時間の著しい延長はなく、CLEC-2は、出血傾向の少ない有効な抗血小板薬のターゲット蛋白となる可能性がある。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 新規血小板活性化受容体CLEC-22009

    • 著者名/発表者名
      井上克枝
    • 雑誌名

      日本血栓止血学会誌 20(4)

      ページ: 401-405

  • [雑誌論文] Novel interactions in platelet biology : CLEC-2/podoplanin and laminin/GPVI.2009

    • 著者名/発表者名
      Ozaki Y
    • 雑誌名

      J Thromb.Haemost. Suppl.1

      ページ: 191-4

  • [学会発表] 新規血小板活性化受容体CLEC-2.シンポジウム2S7a「血栓症の分子メカニズム:最近の進歩2009

    • 著者名/発表者名
      井上克枝
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-22
  • [学会発表] A role of platelet membrane microdomains in CLEC-2-mediated signal transduction.2009

    • 著者名/発表者名
      井上克枝
    • 学会等名
      XXII The international Society on Thrombosis and Haemostasis
    • 発表場所
      Boston
    • 年月日
      2009-07-16
  • [学会発表] Novel interactions in platelet biology. State of the Art lectures.2009

    • 著者名/発表者名
      Ozaki Y.
    • 学会等名
      XXII The international Society on Thrombosis and Haemostasis
    • 発表場所
      Boston
    • 年月日
      2009-07-14
  • [学会発表] CLEC-2信号伝達系における血小板膜マイクロドメインの役割2009

    • 著者名/発表者名
      井上克枝
    • 学会等名
      第32回日本血栓止血学会学術集会
    • 発表場所
      小倉
    • 年月日
      2009-06-09
  • [図書] 「がんと血小板」Annual Review血液2010(坂田洋一他編集)2010

    • 著者名/発表者名
      井上克枝
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      中外医学社(井上分)
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical/clin0lab/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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