研究課題/領域番号 |
20390269
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00294083)
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研究分担者 |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70324762)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60346202)
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キーワード | 造血幹細胞 / 自己複製 / 白血病 / エネルギー代謝 / SIRT1 |
研究概要 |
造血細胞の増殖・分化において重要な役割を担うRUNX1のC末端の変異(RUNX1-dC)は急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)の一部において認められる。これらの造血器腫瘍の多段階の悪性化の過程におけるRUNX1-dCの役割について検討を行った。RUNX1-dCをマウスの細胞株32Dに導入したところUVやγ線の照射によって引き起こされるDNA損傷に対するヌクレオチド除去修復能の低下がみられた。RUNX1-dC導入32D細胞において、DNA損傷の修復に関わる遺伝子の発現変化をスクリーニングしたところGadd45aの発現低下が認められた。この細胞にGadd45aを発現させるとヌクレオチド除去修復能が回復した。また、マウスの未熟な造血細胞にRUNX1-dCを導入してもGadd45aの発現が低下した。さらに、野生型RUX1がGadd45aのイントロン3に存在するRUNX1結合配列を介して、Gadd45aの転写を制御していることをクロマチン免疫沈降法、ルシフェラーゼアッセイを用いて明らかにした。実際、RUNX1-dCを有するAML、MDS症例においては、この変異を有さない症例と比較してGadd45aの発現低下が認められることも確認した。これらの結果から、RUNX1-dCの変異はヌクレオチド除去修復能を低下させ、二次的な遺伝子異常の誘因になることが明らかとなった(Blood, 投稿中)。 エネルギー代謝についてはSIRT1のノックアウトマウスの造血幹細胞を単離し、自己複製能などの機能をin vitro、in vivoで解析した。
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