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2010 年度 実績報告書

転写因子による造血制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20390275
研究機関獨協医科大学

研究代表者

三谷 絹子  獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)

研究分担者 牧 和宏  獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
佐々木 光  獨協医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
中村 由香  獨協医科大学, 医学部, 講師 (80364595)
キーワードRUNX1 / MIR-9 / UT-7/GM / エリスロポエチン / ベンチジン / β-グロビン / ALAS-E / glvcophorin A
研究概要

RUNX1遺伝子の機能的失活は髄異形成症候群(MDS)の重要な発症機構である。RUNX1 mRNAに結合配列を有するmicroRNAの発現レベルをMDS検体を用いて解析した所、正常骨髄では発現していないMIR-9の発現が約1割の症例で亢進していることが明らかになった。MIR-9の過剰発現がMDS病初期の病像である無効造血に果たす役割を明らかにするために、Green fluorescent protein(GFP)遺伝子の下流にMIR-9遺伝子を組み込んだ発現ベクター(pcDNA6. 2-GW/EmGFP-miR-9)をヒト白血病細胞株UT-7/GM細胞に導入してMIR-9安定発現株を樹立し、赤芽球への分化能の変化を解析した。エリスロポエチン存在下で3日間培養した後ベンチジン染色を用いてヘモグロビン合成能を評価した所、MIR-9発現細胞ではコントロール細胞に比較してベンチジン陽性率が有意に低下していた。また、培養4日目の細胞からmRNAを抽出して定量PCR解析を施行した所、β-グロビン遺伝子の発現レベルに関しては両者に有意な差は認めなかったものの、ヘム合成系の遺伝子であるALAS-Eの発現レベルは、コントロール細胞と比較してMIR-9安定発現株において有意に低下していた。最後に、培養7日目のFACS解析では、glycopholin Aの発現がMIR-9安定発現株において低い結果が得られた。以上より、MIR-9の過剰発現は赤芽球分化に対して抑制的に作用すると考えられ、このことを介してMDSの分子病態形成に関与している可能性が示唆された。今後、MIR-9の過剰発現により発現が低下する標的蛋白の同定が重要な課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 骨髄異形成症候群(MDS)関連遺伝子2011

    • 著者名/発表者名
      牧和宏
    • 雑誌名

      血液フロンティア

      巻: 21 ページ: 109-116

  • [雑誌論文] Multicenter phase II trial of vitamine K2 plus 1 a-hydroxyvitamine D3 combination therapy for low-risk myelodysplastic syndrome.2010

    • 著者名/発表者名
      Akiyama N
    • 雑誌名

      Leuk Res

      巻: 34 ページ: 1151-1157

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prognostic potential of detection of WT1 mRNA level in peripheral blood in adult acute myeloid leukemia.2010

    • 著者名/発表者名
      Miyawaki S
    • 雑誌名

      Leuk & Lymph

      巻: 51 ページ: 1855-1861

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular pathogenesis of MDS and its clinical implication.2010

    • 著者名/発表者名
      Maki K, Sasaki K, Yamagata T, Mitani K.
    • 学会等名
      第72回日本血液学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2010-09-26

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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