研究課題/領域番号 |
20390275
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
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研究分担者 |
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
佐々木 光 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
中村 由香 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80364595)
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キーワード | RUNX1 / MIR-9 / UT-7/GM / エリスロポエチン / ベンチジン / β-グロビン / ALAS-E / glvcophorin A |
研究概要 |
RUNX1遺伝子の機能的失活は髄異形成症候群(MDS)の重要な発症機構である。RUNX1 mRNAに結合配列を有するmicroRNAの発現レベルをMDS検体を用いて解析した所、正常骨髄では発現していないMIR-9の発現が約1割の症例で亢進していることが明らかになった。MIR-9の過剰発現がMDS病初期の病像である無効造血に果たす役割を明らかにするために、Green fluorescent protein(GFP)遺伝子の下流にMIR-9遺伝子を組み込んだ発現ベクター(pcDNA6. 2-GW/EmGFP-miR-9)をヒト白血病細胞株UT-7/GM細胞に導入してMIR-9安定発現株を樹立し、赤芽球への分化能の変化を解析した。エリスロポエチン存在下で3日間培養した後ベンチジン染色を用いてヘモグロビン合成能を評価した所、MIR-9発現細胞ではコントロール細胞に比較してベンチジン陽性率が有意に低下していた。また、培養4日目の細胞からmRNAを抽出して定量PCR解析を施行した所、β-グロビン遺伝子の発現レベルに関しては両者に有意な差は認めなかったものの、ヘム合成系の遺伝子であるALAS-Eの発現レベルは、コントロール細胞と比較してMIR-9安定発現株において有意に低下していた。最後に、培養7日目のFACS解析では、glycopholin Aの発現がMIR-9安定発現株において低い結果が得られた。以上より、MIR-9の過剰発現は赤芽球分化に対して抑制的に作用すると考えられ、このことを介してMDSの分子病態形成に関与している可能性が示唆された。今後、MIR-9の過剰発現により発現が低下する標的蛋白の同定が重要な課題である。
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