研究課題
基盤研究(B)
血栓症は、凝固制御因子や血小板凝集抑制因子の機能低下がリスクとなる。私達は、血管内皮細胞が示すプロテインC抗凝固機構を構成する凝固制御因子プロテインSのK196E変異が、静脈血栓症の遺伝的リスクであることを報告した。一方、血小板凝集抑制因子の機能低下がリスクとなる血栓症として、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)がある。本疾患は、ADAMTS13の活性著減による超巨大フォンビルブランド因子(VWF)マルチマーの蓄積が原因となる。本研究では、血栓症発症におけるプロテインS K196E変異、およびTTPとその類縁疾患におけるADAMTS13に関して、基盤的研究および臨床研究を進め、日本人の血栓症発症のリスクを評価し、その成果に基づいて予防戦略を確立することを目的とする。本研究で、私たちはプロテインS K196E変異を有するノックインマウスおよびプロテインS遺伝子ノックアウトマウスを作製した。また、妊娠出産時に静脈血栓症を発症した患者を対象に、プロテインS,プロテインC,アンチトロンビンの活性と遺伝子を解析し、プロテインS遺伝子変異が多いこと、K196E変異が素因となる例があることを明らかにした。
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