研究課題/領域番号 |
20390282
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50009700)
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研究分担者 |
中野 裕康 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70276476)
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60338316)
牛尾 博子 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (30317391)
中山 勝文 順天堂大学, 医学部, 助教 (20453582)
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キーワード | Tim-3 / 樹状細胞 / アポトーシス / 貪食 / クロスプレゼンテーション |
研究概要 |
T cell immunoglobulin and mucin domain-containing molecule-3(Tim-3)は元々Th1マーカーとして同定されたI型の膜タンパクである。これまで我々を含む複数のグループから、Tim-3は実験的自己免疫性脳脊髄炎や急性移植片対宿主病といったTh1病の発症に対して抑制的に作用することが明らかにされているが、その詳細な分子メカニズムについては依然不明である。今回我々は新たにTim-3がマウス脾臓CD8+樹状細胞(DC)サブセット上に発現し、その死細胞貪食および死細胞由来抗原のMHC-I上への提示(クロスプレゼンテーション)に関与することを見出した。CD8+DCによるovalbuminタンパクを含んだ死細胞の貪食は、我々が樹立した抗マウスTim-3中和モノクローナル抗体RMT3-23により約50%抑制され、さらにそのDCによるCD8+OT-I細胞の増殖およびIFN-g産生も著しく抑制されることがin vitroおよびin vivo実験により明らかとなった。これらの結果は、Tim-3はCD8+DCの死細胞認識レセプターとして機能し、クロスプレゼンテーションを介したCD8+細胞傷害性T細胞の誘導あるいはその末梢トレランス誘導にTim-3が関与する可能性を示唆しており、現在その新たなTim-3の機能とTh1病の関連性について解析を進めている。
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