研究課題/領域番号 |
20390282
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (50009700)
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研究分担者 |
中野 裕康 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70276476)
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60338316)
牛尾 博子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30317391)
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キーワード | T cell immunoglobulin and mucin domain (TIM)ファミリー / TIM-2 / B細胞 / T細胞 / Th1細胞 / Th2細胞 / Th17細胞 / コラーゲン誘発性関節炎 |
研究概要 |
T cell immunoglobulin and mucin domain (TIM)ファミリー分子はT細胞上に発現し、T細胞の活性化の制御を通して免疫応答を調節することが示されている。これまでにTIM-1~4までのTIMファミリー分子が同定されているが、それぞれのTIMファミリー分子の疾患への関与は完全には解明されていない。我々は昨年までの研究で、マウスTIM-1~-4までのすべてのTIMファミリー分子に対する抗体を樹立することに成功した。今回我々はTIM-2分子に注目し、抗TIM-2抗体を用いることにより、これまでT細胞に発現し、Th2反応の負の制御因子として働くと考えられてきたTIM-2分子が、B細胞に強く発現し、TIM-2分子を抗体で刺激することにより抗IgM抗体や抗CD40分子抗体により誘導されるB細胞の増殖や抗体産生を増強することを見出した。さらに、in vivoにおけるTIM-2分子の役割を明らかにするために、アゴニスト作用を持つ抗TIM-2抗体を関節リウマチのマウスモデルであるコラーゲン誘発性関節炎マウスに投与した。以前の報告と異なりCD4陽性T細胞にはTIM-2分子は発現しておらず、Th1細胞やTh17細胞の分化にはまったく影響を与えなかった。しかしながら、抗TIM-2抗体投与により血清中のII型コラーゲン抗体価が上昇し、関節炎症状の増悪に働くことを明らかにした。以上のことからTIM-2分子はB細胞表面に発現し、B細胞の活性化に対して抑制的に働くことが初めて明らかとなった。
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