研究課題
今期研究ではrHuPrP(recombinant human PrP)とCJD患者由来の検体(Creutzfeldt-Jakob disease)を用いて異常型プリオンタンパク試験管内増幅法(QUIC法)の条件検討を詳細に行った。まずThTの蛍光強度測定による簡便でかつreal-timeにrPrP-resを検出できるアッセイ系(real-time QUIC)の開発を試みた。QUIC法では間欠的に攪拌を繰り返すことによりrPrP-resの増幅反応を促進するが、攪拌装置付の蛍光プレートリーダーを使用することによっても増幅可能かどうかをまず検証した。その結果すでに以前の論文(Nature Methods.2008Mar;5(3):211-2.)で報告したSDSを含む反応条件では蛍光プレートリーダーの攪拌機能が十分でなく、増幅できないことがわかった。つまりSDSを含む反応条件の場合、より強い攪拌が必要であった。そこでSDS以外の条件で効率よく増幅される条件を探索した。その結果、尿素やグアニジン塩酸を加えた場合にrPrP-resの増幅が容易に起こることが判明した。しかし、シードなしの条件でも自然発生的にrPrP-resがかなり早期より形成されてしまい(spontaneous formation)、検出感度を上げることが困難であった。そこで様々な反応条件、特に反応溶液の組成(変性剤の濃度、pH、添加物など)を変えてreal-time QUICを行い、spontaneous formationは抑制するが、シード依存的な増幅反応は抑制しない条件を検索した。その結果、検出感度を大きく高めることに成功した。
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Protein&peptide letters 16(3)
ページ: 256-259
Nature methods 5(3)
ページ: 211-212
http://www.mdp.nagasaki-u.ac.jp/ddid/staff/index.html