研究概要 |
1)ヒト胚性幹細胞(ES細胞)からストローマ細胞への動物血清および細胞非依存的分化誘導方の開発 マウス胎仔組織由来ストローマ細胞に依存しないヒトES細胞から造血/血液細胞への分化誘導法を確立するために、マウス胎仔組織由来ストローマ細胞の代替細胞として、ヒトES細胞からのストローマ細胞を樹立することを試みた。マウス繊維芽細胞(MEF)との共培養により維持されたヒトES細胞コロニーをピックアップし、MEFをコートしていないゼラチンコートプレートで1コロニーずつ再培養した。以後、platelet lysate(PL)を5%vol含む培養液(PL培養液)を用いて継代培養した。PL培養液の交換は週2回行い、7-14日間隔で継代した。その結果、ヒトES細胞からadherentなストローマ様細胞が生成された。数代継代後には、MEF由来のマウス細胞や未分化なヒトES細胞は、PCRレベルでも認められなくなった。フローサイトメトリーによる表面抗原の解析では、CD105,CD166陽性、CD45,CD34,CD14陰性であったことより、これらのストローマ細胞は間葉系幹細胞であると考えられ、骨、軟骨、脂肪細胞などの間葉系細胞への分化能力を有することも確認された。 2)ヒトES細胞由来ストローマ細胞を用いたヒト造血/血液細胞の分化誘導 上記の方法でヒトES細胞から分化誘導されたストローマ細胞との共培養により、未分化なヒトES細胞から造血/血液細胞への分化誘導を試みた。
|