研究課題
本研究の主題である成長に伴うヒトの制御性T細胞の機能発達とその異常について研究を進め、以下の結果を得た。1)ヒトの制御性T細胞の遺伝的異常症のIPEXのスクリーニングとして5カラーフローサイトメトリー法を開発、我国のIPEXの発掘に努め、比較的軽症なIPEXを新たに診断した。フローサイトメトリー法によるスクリーニングは、IPEXの臨床的多様性を明らかにする意味で有用であることを検証した。2)制御性T細胞は非制御性T細胞に比べIL-7R(CDI27)発現が弱い。IPEX症例を対象に、CDI27発現とFOXP3発現との関係を検討した。IPEXでは制御性T細胞が欠損とされるが、FOXP3発現が欠損・微弱にも関わらず、一部の症例でCD4^+CD25^+CD127^<dim>T細胞が存在し、機能的に弱いながらも明らかに抑制活性を有し、制御性T細胞の前駆細胞である可能性を提唱した。3)制御性T細胞の前駆様細胞は保因者の母親にも存在し、母親のCD4^+CD25^+CD127^<dim>T細胞におけるFOXP3発現はX染色体のランダムな不活化を反映して2峰性になる。母親をドナーとして骨髄移植を行った症例の生着を経時的に追い、まずFOXP3陰性のCD4^+CD25^+CD127^<dim>T細胞、最終的にFOXP3陽性のCD4^+CD25^+CD127^<dim>T細胞が出現、このようなCD4^+CD25^+CD127^<dim>T細胞のFOXP3発現は2峰性を呈することを確認した。4)制御性T細胞にはナイーブ形質とメモリー形質の2種類存在する。これらをCD4^+CD25^+CD127^<dim>T細胞におけるCD45RA発現で分別し、FOXP3発と抑制活性について比較検討した。ナイーブ制御性T細胞はメモリー制御性T細胞に比べFOXP3発現及び抑制活性が弱いことを確認した。この事実もまた制御性T細胞の機能発現にFOXP3が重要であることが支持した。
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