研究課題/領域番号 |
20390308
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
橋本 隆 久留米大学, 医学部, 教授 (20129597)
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研究分担者 |
安元 慎一郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (10220162)
大日 輝記 久留米大学, 医学部, 講師 (20423543)
濱田 尚宏 久留米大学, 医学部, 講師 (40320204)
辛島 正志 久留米大学, 医学部, 講師 (70211175)
大山 文悟 久留米大学, 医学部, 助教 (90461441)
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キーワード | プロテオーム / 免疫学 / たんぱく質 / 遺伝子 / バイオテクノロジー / ケラチノサイト / デスモソーム / ヘミデスモソーム |
研究概要 |
まず、抗p200類天疱瘡抗原のp200の同定のために、真皮抽出液を抗原源として用いて、等電点電気泳動とSDS-PAGEによる二次元電気泳動を行った。二枚同時に泳動し、一枚のゲルはニトロセルロース膜に転写し、免疫ブロット法によりこの血清が反応する蛋白のスポットを検出した。その後、プロテオミクス手技を用いてp200を同定した。すなわち、もう一枚の二次元電気泳動で展開したゲルをクマシー染色した。免疫ブロット法で検出したスポットに一致する蛋白をゲルから切り出して、分離したタンパクを、ゲル内トリプシン処理、フラグメンテーションを行い、ペプチドを溶出した。マススペクトロメトリー解析により得られたパターンについて、ヒトゲノムデータベースから遺伝子のプロファイリングを行ったところ、p200がラミニンガンマ1であることが示された。その後、抗ラミニンガンマ1モノクローナル抗体を用いた二次元電気泳動の免疫ブロット法で、この抗体が、患者血清と同じスポットを染色したことから確認した。さらに、各種のラミニンガンマ1のリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で、患者血清がこれらの蛋白に反応することを確認した。そして、患者血清が表皮基底膜に反応するが血管基底膜に反応しないことを証明するために、ヒト大血管から得た抽出液と真皮抽出液の免疫ブロット法を比較し、患者血清が、皮膚のラミニンガンマ1には強く反応するのに対し、血管のラミニンガンマ1には反応しないことを見出した。同時に、IEN型IgA天疱瘡の抗原の同定のために、先ず、未固定のケラチノサイト(KU-8 cell)の培養において、IEN型IgA天疱瘡の抗原が産生されていることを蛍光抗体法で確認した。来年度は、新しいIgA抗体用の免疫沈降法を開発し、プロテオミクスの手技を用いて抗原分子の同定を試みる予定である。
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