研究概要 |
情動に関わっている背側縫線核(DRN)におけるセロトニン(5-HT)含有神経細胞の多くがGABAを含有している.これら古典的な神経伝達物質が共存する意義やその役割・機能は全く明らかになっていない.そこでこの共存神経細胞の機能解析と,発達,幼若期におけるストレスの影響を検討した.DRNには5-HT合成酵素TPH2 mRNAとGABA合成酵素GAD67 mRNAの共存ニューロンが存在することをsingle-cell RT-PCR法によって明らかにした.5-HT/GAD67ニューロンでは同時に2つの神経伝達物質を遊離しておらず,活動電位の振幅が5-HT単独含有細胞より小さく,発射頻度も低い特性を有していることや幼若期のストレスはこの共存細胞の発達を阻害することを明らかにした.
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