研究課題/領域番号 |
20390313
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山脇 成人 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40230601)
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研究分担者 |
岡本 泰昌 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (70314763)
山下 英尚 広島大学, 病院, 講師 (50294591)
萬谷 智之 広島大学, 病院, 講師 (70325174)
岡田 剛 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10457286)
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キーワード | 情動・認知制御 / 情動予期 / 報酬予期 / 自己関連処理 / メタ分析 |
研究概要 |
本年度は、情動・認知機能制御の神経基盤を明らかにするために、健常者を対象として、以下の通り実施した。 1.情動についての予期に関わる神経基盤を明らかにするため、情動予期課題遂行時の脳活動をfMRIによって測定した。その結果、予期できる不快な状況において、前帯状回、腹外側前頭前野、島皮質、扁桃体において賦活がみられた。また、不快情動予期時においては、前帯状回は島、前頭前野、視覚野と機能的な結合が示された。 2。報酬予測の神経基盤を明らかにするため、遅延報酬課題遂行時の脳活動をfMRIによって測定した。行動データから、各実験協力者の割引率γと報酬予期を推定し、それらと相関する脳部位を検討したところ、線条体に賦活がみられた。これは、申請者らのこれまでの研究と一貫する結果であり、実験協力者ごとに推定した値でも同様の結果が再現できた点が新しい点である。 3.情動と自己認知との相互作用に関する神経基盤を明らかにするため、自己関連づけ課題遂行時の脳活動をfMRIによって測定した。ネガティブ情動語を自己関連処理した時に、右腹側帯状回、右扁桃体において賦活がみられた。一方、ポジティブ情動語を時間関連処理した時に、左扁桃体において賦活がみられた。なお、自己関連処理自体には、内則前頭前野、側頭回、後帯状回、楔前部に賦活がみられた。 今後は、これらの研究に加えて、顔表情認知機能に関する研究と情動-認知機能の制御機構に関する研究を実施する予定である。最終的に、これらの研究結果を踏まえた上で、メタ解析を実施し、統合的な情動・認知機能の制御に関わる神経モデルの構築を行う予定である。
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