精神疾患におけるオリゴデンドロサイト前駆細胞の役割

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20390317
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 精神神経科学
• 研究機関: (財)東京都医学研究機構
• 研究代表者: 楯林 義孝 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (80342814)
• 研究分担者: 菊池 尚美 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (30450589)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: オリゴデンドロサイト前駆細胞 / グリオーシス / 統合失調症 / 双極性障害 / 大うつ病 / グリシン

研究概要

精神疾患脳におけるグリオーシスの欠如は神経病理学的研究から常に指摘されてきた。新しい培養法を用いてグリオーシス由来細胞の一つと考えられるオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)の機能解析を行なった。OPC は、重要な神経伝達物質の一つであるグリシンの細胞外濃度を調節している可能性が判明した。これらの発見は、今後、精神疾患治療薬開発の基礎になる知見と考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] 気分障害の死後脳研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝、林義剛
  • 雑誌名: 精神医学 53 ページ: 393
  • 査読あり
• [雑誌論文] Reduced rate of neural differentiation in the dentate gyrus of adult dysbindin null (sandy) mouse. (2011)
  • 著者名/発表者名: Nihonmatsu-Kikuchi N, Hashimoto R, Hattori S, Matsuzaki S, Shinozaki T, Miura H, Ohota S, Tohyama M, Takeda M, Tatebayashi Y.
  • 雑誌名: PLoS One. 6(1) ページ: e15886
  • 査読あり
• [雑誌論文] Psychiatric disorders and clinical correlates of suicidal patients admitted to a psychiatric hospital in Tokyo. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hayashi N, Igarashi M, Imai A, Osawa Y, Utsumi K, Ishikawa Y, Tokunaga T, Ishimoto K, Harima H, Tatebayashi Y, Kumagai N, Nozu M, Ishii H, Okazaki Y
  • 雑誌名: BMC Psychiatry 10 ページ: 109
  • 査読あり
• [雑誌論文] Microtubule destruction induces tau liberation and its subsequent phosphorylation. (2010)
  • 著者名/発表者名: Miyasaka T, Sato S, Tatebayashi Y, Takashima A
  • 雑誌名: FEBS Lett 584 ページ: 3227-3232
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dual role of the carboxyl-terminal region of pig liver L-kynurenine 3-monooxygenase : mitochondrial-targeting signal and enzymatic activity. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hirai K, Kuroyanagi H, Tatebayashi Y, Hayashi Y, Hirabayashi-Takahashi K, Saito K, Haga S, Uemura T, Izumi S
  • 雑誌名: J Biochem 148(6) ページ: 639-650
  • 査読あり
• [雑誌論文] 自殺関連行動を呈する精神科入院患者の診断と臨床特徴:都立松沢病院入院例の検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 林直樹,五十嵐雅,今井淳司,大澤有香,内海香里,石川陽一,大島淑夫,徳永太郎,石本佳代,田直子,針間博彦,楯林義孝,熊谷直樹,野津眞,石井秀宗,岡崎祐士
  • 雑誌名: 精神神経学雑誌 111 ページ: 502-526
  • 査読あり
• [雑誌論文] Failure of neuronal maturation in Alzheimer disease dentate gyrus. (2008)
  • 著者名/発表者名: Li B, Yamamori H, Tatebayashi Y, Shafit-Zagardo B, Tanimukai H, Chen S, Iqbal K, Grundke-Iqbal I
  • 雑誌名: J Neuropathol Exp Neurol 67 ページ: 78-84
  • 査読あり
• [学会発表] 海馬オリゴデンドロサイト分化とアルツハイマー病 (2010)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝,菊地尚美,林義剛,伊東多恵子,篠崎たき子
  • 学会等名: 第29回日本認知症学会学術集会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2010-11-06
• [学会発表] NG2 cells : A novel therapeutic target for mood disorders? Neuro2010 Joint Conference (2010)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝
  • 学会等名: The 33rd Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society
  • 発表場所: Kobe, Japan
  • 年月日: 2010-09-04
• [学会発表] 気分障害脳特異的な脂肪酸異常 (2009)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝,菊池尚美,篠崎たき子
  • 学会等名: 第6回日本うつ病学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-07-31
• [学会発表] NG2細胞は精神疾患の治療ターゲットになるか? (2008)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝
  • 学会等名: 第51回日本神経化学会大会
  • 発表場所: 富山
  • 年月日: 2008-09-12
• [学会発表] 精神疾患におけるNG2コンドロイチン陽性細胞関連分子の定量 (2008)
  • 著者名/発表者名: 菊池尚美,林義剛,篠崎たき子,楯林義孝
  • 学会等名: 第7回成体脳のニューロン新生懇談会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-03-22
• [学会発表] 精神疾患脳内におけるNG2コンドロイチン硫酸プロテオグリカンと関連分子の変動 (2008)
  • 著者名/発表者名: 菊池尚美,篠崎たき子,林義剛,楯林義孝
  • 学会等名: 第3回日本統合失調症学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-03-15
• [図書] 松沢臨床精神医学セミナー(松下正明監修,岡崎祐士編)(うつ病治療の実際 vol.1) (2008)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝, ほか
  • 総ページ数: 60-73
  • 出版者: 東京:日本評論社
• [図書] これだけは知っておきたい女性とうつ病(神庭重信編)(閉経期のうつ病) (2008)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝, ほか
  • 総ページ数: 131-144
  • 出版者: 大阪:医薬ジャーナル社
• [図書] シリーズ脳科学6,精神の脳科学(甘利俊一監修,加藤忠史編)(うつ病と神経可塑的変化) (2008)
  • 著者名/発表者名: 楯林義孝, ほか
  • 総ページ数: 125-156
  • 出版者: 東京:東京大学出版会
• [備考] ホームページ等