研究課題/領域番号 |
20390319
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西岡 健 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80271659)
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研究分担者 |
芳賀 永 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00292045)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (90239765)
本間 明宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30312359)
堤 香織 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (80344505)
酒井 正春 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (50162269)
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キーワード | radiation / repopulation / cancer stem cell / cell movement |
研究概要 |
研究の目的:10GyのX線照射を生き抜いた癌細胞(IR株)がどのような特性 (遺伝子的、あるいは蛋白発現)をもっているか明らかにすること。 研究実施計画:浸潤能についてはマトリゲル、遊走能はコラーゲンほう埋方法、さらに移植能についてヌードマウスを用い生着率を調べた。 結果:マトリゲルを通過する細胞の%は有意差をもってIR細胞が高かった。コラーゲンゲル法ではtime lapseでの観察が可能なため、個の細胞を任意に抽出し、それを5分間隔で観察し動きをトレースした。いずれも浸潤能・遊走能において有意な差を持ってIR細胞が高い値を示した。マウス移植実験をA549(肺がん)細胞株を用い施行した。生着率はRI細胞では100%、親株で0%であった。このことは親株に照射した結果、癌幹細胞がIR細胞において高い比率を占めている可能性があり、両者の間でcDNA arrayを施行した。IR細胞において親細胞に比較しがん幹細胞のマーカーの一つであるATP-binding cassette, sub-family C(CFTR/MRP), member 2(ABCC2),mRNA[NM_000392]が50%上昇していた。またin vitro, in vivo両条件下において細胞増殖カーブを描いたところ有意差を持ってIR細胞の増殖能が高かった。 考察:10Gyの放射線照射を生き抜いた細胞は様々な側面で、親株にはない悪性化がみられた。今後の方向性は、その悪性化が親株にものもの少ない%の割合で存在したものか、あるいは放射線照射によって引き起こされる遺伝子変化によるものかについて限界気釈放を用いて探求する予定である。またこの現象が普遍的なものであるかについて同じように肺がん細胞株であるH1299をもちいて実験を開始する予定である。
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