研究課題/領域番号 |
20390320
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
久下 裕司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70321958)
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研究分担者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
大倉 一枝 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827)
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キーワード | 放射線 / 癌 / 生体分子 / 臨床 / 分子イメージング |
研究概要 |
本研究は、悪性腫瘍の分子レベルの変化を画像化しうる分子イメージング法の特長を生かし、臨床診断への応用が可能な新しい癌の診断・治療システムを提案すること、さらには、これをがんの分子標的療法や放射線治療の治療戦略に役立てることを目的とする。 平成20年度は、(1)小動物用PET/SPECT装置を用いて、ブドウ糖代謝(18F-FDG)・アミノ酸代謝(11C-MET)を指標とする分子イメージング法により、癌の病態を解析しうるか否かを検討した。その結果、18F-FDGの腫瘍・肉芽腫への集積レベル・パターンは類似した。一方、14C-METの腫瘍集積は肉芽腫への集積の約2倍であり、腫瘍・肉芽腫への集積レベル・パターンは有意に異なっていた。(2)ヒト癌細胞を移植したマウスを用い、核酸合成の指標である18F-FLTがgefitinibによる分子標的療法の早期治療効果の評価に役立つか否かを検討した。その結果、Gefitinib治療により、3H-FLTの腫瘍集積は、対照の約60%に低下した。腫瘍の増殖能を示すKi-67 index、及びリン酸化-EGFR発現も、gefitinib治療により、有意に低下した。一方、腫瘍体積には変化は認められなかった。 これらの結果は、11C-MET・18F-FLTを用いたアミノ酸代謝・核酸合成イメージングが、放射線治療や分子標的療法に対する腫瘍の反応を早期に検出できる可能性を示すものである。
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