研究課題/領域番号 |
20390322
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高井 良尋 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50107653)
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研究分担者 |
山谷 睦雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60261640)
金田 朋洋 東北大学, 大学病院, 助教 (50323019)
星川 康 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (90333814)
仲田 栄子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60375201)
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キーワード | 核医学 / 低酸素画像化剤 / 放射線治療 / 低酸素細胞 / PET / HIF-1 / 脳腫瘍 |
研究概要 |
今年度の最大の進展はこの[18F]FRP170を用いた、低酸素細胞イメージングのPET検査が東北大学の他に滝沢村の岩手医科大学サイクロトロンセンター(仁科記念サイクロトロンセンター)で可能となったことである。この研究の一つの目的にこの薬剤の全国展開があるが、ようやく一施設に[18F]FRP170自動成装置を導入することができ、合成に成功した。岩手医科大学では、脳外科ですでに臨床応用が始まっており、これまでにghlioblastoma multiforme 4例に対し[18F]FRP170PET検査を行ったがいずれも強い取り込みを認め、これまで、東北大で得られていたhigh grade gliomaに多くの低酸素細胞が含まれていることが、岩手医科大学の検査でも検証できた。 また、東北大学腎高血圧科では、薬剤負荷によって起こる腎臓の低酸素状態の検出に[18F]FRP170PETを使っての研究も開始された。 一昨年~昨年までに、東北大学脳外科では、数例の脳腫瘍症例を対象として[^<18>F]FRP170PETを施行し、その所見と、[^<11>C]methionine([^<11>C]Met)PET、[^<18>F]fluorodeoxyglucose([^<18>F]FDG)PET、MRイメージ、Proton MR spectroscopy、摘出標本でのHIF-1α免疫染色所見との比較検討を行い、glioblastoma multiformeでのHIF-1αのupregulationと[^<18>F]FRP170取込との明らかな相関や、[^<18>F]FRP170取込と[^<18>F]FDG取込やMRイメージ増感部位との弱い相関傾向などを見出した。また、[^<18>F]FRP170PETは、proton MR spectroscopyによる乳酸ピーク出現より低酸素検出に関してよりsensitiveと考えられ、この新低酸素イメージング剤を用いることにより非侵襲的に、脳腫瘍の低酸素状態を術前に評価することが可能で、治療法のデーラーメード化に有用であろうことが示唆されている。
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