研究課題
基盤研究(B)
癌組織は正常組織と異なり、極めて広範な酸素分圧に渡って存在する。その低酸素状態は、癌細胞の低酸素応答を惹起し、HIFを介した関連遺伝子の誘導により、腫瘍血管新生、腫瘍増殖を惹起し、ひいては再発や転移を促進することによって腫瘍の悪性度を増加させることが知られている。我々は、水溶性の高い低酸素細胞増感剤であるRP-170を[18F]で標識することに成功し、低酸素細胞イメージング用の新放射化合物[^(18)F]FRP-170(米国特許:US 6,743,925 B1)の開発に成功している。この薬剤は、毒性試験の後、東北大学の倫理委員会の許可のもとですでに臨床応用が行われている。この研究で我々は、癌治療の手段である手術、化学療法、放射線治療すべてにおいて、治療前に低酸素細胞定量化し、治療効果と予後予測が可能かどうかを調べ、さらに、低酸素細胞応答遺伝子発現との関連も同時に調べることにより、低酸素細胞をベースとした癌治療のテーラーメイド化の可能性を検討するための画像的基礎データを、我々の開発した新低酸素細胞[18F]FRP-170を応用して集積し、その有効性を検討するための基礎的・臨床的研究を進める。
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