研究分担者 |
櫻井 英幸 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (50235222)
大野 達也 重粒子線医学推進機構, 准教授 (10344061)
鈴木 義行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60334116)
石川 仁 群馬大学, 医学部, 講師 (70344918)
石内 勝吾 琉球大学, 医学部, 教授 (10312878)
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研究概要 |
1)局所に再発をみた直腸癌に対する炭素イオン放射線治療の費用対効果に関する研究 局所再発の直腸癌患者における、炭素イオン放射線療法と従来の集学的治療の費用対効果を分析した。放医研で重粒子線治療された局部再発直腸癌患者14人と群馬大学病院で一般放射線治療をされた11人の局部再発直腸癌患者合計25人の診断・再発治療・フォローアップ・訪問・支持療法・合併症・および入院費を計算した。結果:2年の租生存率は、それぞれ炭素イオン線治療で85%、集学的治療で55%であった。平均の費用は炭素イオン線治療グループは\4,803,946、集学的治療グループで\4,591,605であった。1%の生存率増加につき上昇した費用対効果比は7,078円であった。総入院期間は炭素イオン線治療で37日間、集学的グループで66日間であった。結語:再発直腸癌治療においては、炭素イオン線治療が集学的治療と比べ費用対効果が良いと言えた。 2)重イオン照射による正常組織/細胞の放射線感受性に関する研究 i)尿トリプシン阻害剤によるマウスにおける放射線誘発肺線維症の防護効果の研究では、C57BL/6マウスを用い,尿トリプシン阻害剤(urinary trypsin inhibitor;以下UTI)投与による肺照射後の放射線肺線維症の抑制効果およびその至適な投与時期について検討を行い、UTI投与によってTGF-βの発現が抑制され,その結果として放射線肺線維症の発現が抑制されている可能性が示唆された。ii)脳機能ならびに脳腫瘍に対する重粒子線による照射効果に関する研究では脳ニューロン細胞およびグリア細胞の培養正常脳細胞および血管内皮細胞の重粒子線に対する放射線感受性、その細胞死のメカニズムを重イオンビーム照射により解明した。さらに、ラット脳から神経細胞とグリア細胞が共存する脳薄切切片培養標本を作製し、神経細胞とグリア細胞の重粒子線照射に対する感受性の差異を明らかにした。
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