研究課題/領域番号 |
20390325
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80188896)
|
研究分担者 |
寺原 敦朗 東邦大学, 医学部附属病院, 教授 (80237007)
山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70447407)
白石 憲史郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40447404)
井垣 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90361344)
増谷 佳孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345193)
|
キーワード | 強度変調原体照射法 / 同時CT撮影 / 高精度放射線治療 / 放射線治療 / 定位放射線治療 / 画像誘導放射線治療 |
研究概要 |
強度変調原体照射法と治療中の同時CT撮影による高精度放射線治療法に関する臨床応用を、東大病院放射線科で開始した。ステージBないしCの前立腺癌の他、原発性肺癌における定位放射線治療を対象とした。中川、寺原、井垣、山下、白石が協同で臨床研究を進めた。前立腺癌では、15例、肺癌の定位放射線治療は、9例に対して臨床応用を行った。 従来の強度変調放射線治療が5~10分を要するのに対して、同等の線量分布を2分程度の治療時間で得ることができ、治療中に同時に撮影したCBCTによって、照射中の腫瘍の位置情報を得ることができるため、世界中から注目を浴び、追試も行われている。 前立腺癌において、治療中の同時CTと治療直前に撮影したCTとの位置の偏位は、水平方向0.1±0.2mm、垂直方向(背腹方向)-0.3±0.4mm、長軸方向-0.4±0.6mmであった。また、治療中の同時CTと治療直後に撮影したCTとの位置の偏位は、水平方向0.2±0.3mm、垂直方向(背腹方向)-0.8±0.7mm、長軸方向-0.3±0.6mmであった。前立腺癌の場合には、位置の誤差は容認範囲になることが確認された。 ただし、同時CTは、照射時間である約2分間を使ったCT画像であるため、呼吸などによる臓器と腫瘍の運動を含む画像となり、肺癌の場合、治療中の腫瘍の移動は評価できないことが分かった。このため、肺癌の場合、腫瘍の移動を想定して、「セーフティーマージン」をつけて照射野を設定さぜるを得ない問題が明らかになり、今後の重要な課題となることがあらためて確認された。
|