研究課題
本年度では、以下の3つの研究を行い、3年間の研究を総括した。(1) 人工再生骨内の細胞量決定:骨折や骨腫瘍により生じた大規模な骨欠損は自然治癒が困難である。骨欠損を治療する骨補填材として人工培養骨にBMSCs (Bone Marrow Stromal Cells)を注入させた混合物を使用することが考えられている。ここでは、人工培養骨より得られた超音波波形を解析して特徴値を抽出し、ニューラルネットワーク、重回帰分析及びファジィ推論による細胞量推定モデルを構築して細胞量を推定し、ロバストな人工培養骨内細胞のソフトコンピューティング評価システムを提案した。(2) ドプラ効果によるヒト脳血流計測装置の開発:ここでは、中心周波数1.0MHzの超音波アレイプローブを用いて、頭蓋骨下における脳血管の血流速度計測を行う超音波システムを提案した。本手法では、移動物体に超音波が当たるとドプラ効果によって周波数遷移が発生する事を利用して、血流速度計測を行う。頭蓋骨と脳血管の代用として牛の肩甲骨とシリコンチューブを用いて実験を行ったところ、ドプラ効果によって血流を確認できたため、頭蓋骨下におけるシステムの有用性を確認することが出来た。(3) 中心周波数0.5MHzと1.0MHzの超音波アレイプローブを用いた脳画像取得装置の開発:ここでは、中心周波数1.0MHzと0.5MHzの超音波アレイプローブを用いて、頭蓋骨下における脳血管の血流速度計測を行う超音波システムの検証を行った。頭蓋骨として牛の肩甲骨を、脳溝を模した対象物体として鋼製の溝を用いた。本手法を適用した結果、牛の肩甲骨の厚みを真値に近い値で測定できた。0.5MHzのアレイプローブによる取得データと1.0MHzのアレイプローブより取得した波形を合成した波形より作成した画像から溝部分を抽出した結果、0.5MHz或いは1.0MHzのアレイプローブ単体で行った結果より精度の向上を認めた。これにより、複数のアレイ装置を用いてデータを取得する方法が有効であることが明らかになった。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件)
Proc.of 2010 IEEE World Congress on Computational Intelligence
巻: (CD-ROM) ページ: 2852-2857
Proc.of 2010 IEEE Int.Conf.on Systems, Man and Cybernetics
巻: (CD-ROM) ページ: 1524-1529
巻: (CD-ROM) ページ: 1370-1374
Proc.of Korea Institute of Intelligent Systems Fall Conference 2010
巻: Vol.20, No.2 ページ: 3-8
巻: Vol.20 No.2 ページ: 16-20