研究概要 |
マウスに対する定量神経受容体画像の取得に当っては、動脈血血漿中の放射能濃度[Bq/mL]の測定が必要となるが、対象が小さいマウスの場合、正確な微小体積での採血、微小血液からの血漿分離、そこに含まれる放射能濃度の測定の実現が不可欠となる。そこで本年度は、マウス及びラットを対象とした、μLオーダでの微小定量採血,遠心分離による血漿分離,血漿中の微小放射能測定のための技術的実現性の可能性を検討した結果、実現の可能性があるとの判断に至った。微小採血系の実現に当っては、血液の粘性が問題となる。前者については血液の流路に対して適宜親水性及び撥水性を付与することで、μLオーダの血液の確実な移送が可能となった。放射能測定については、イメージングプレート及び通常画像撮影用のフラットベッドスキャナの併用によって画像的に放射能量を測定する方式を採用した。年度途中において、実証機間での凝血対策に関する性能のばらつきが問題となったが、システム内の血液流路に対する表面処理を改善した結果、再現性の検討が可能となった。
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