研究課題
高齢化社会で解決を迫られている認知症やパーキンソン症候群をはじめとする様々な脳疾患の診断・病態解明、その治療評価法開発等の研究に、分子イメージングの手法、特にPETの応用が強く期待されている。日本におけるPETによる脳機能研究や脳疾患診断を促進させるため、多施設で共有できる信頼度の高い16薬剤の健常者のデータベース及び脳疾患9症例のデータベースを構築する。健常者データベースとして本年度追加計測した薬剤は、[^<11>C]FLB457(線条体外のドパミンD_2受容体)、[^<18>F]FDG(糖代謝)、^<11>C]PIB(アミロイドベータタンパク質)、[^<11>C]TMSX(アデノシンA_<2A>受容体)など、疾患データベースとしては、パーキンソン病の[^<11>C]TMSX(アデノシンA_<2A>受容体)、[^<11>C】CFT(ドパミントランスポータ)及び[^<11>C]raclopride(ドパミンD_2受容体)、アルツハイマー病及び非アルツハイマー病変性型認知症の[^<11>C]PIB、脳虚血の[^<11>C]flumazenil(中枢性ベンゾジアゼピン受容体)と[^<11>C]MPDX(アデノシンA_1受容体)、統合失調症の[^<11>C]SA4503(シグマ_1受容体)などである。[^<11>C]FLB457と[^<11>C]TMSXについてはTest-retestにより、計測の再現性を確認した。PET計測全般では、MRIの解剖学的標準化技術を用いたPETの関心領域設定の自動化を進めた。異なる施設で頭部ファントムを用いて脳画像データを収集してカメラ間のデータ校正法をし、健常者脳FDG-PETデータベースの施設間の補正を行った。新しい脳機能診断薬としてμオピオイド受容体を計測する[^<11>C]carfentanilの合成法を確立し、品質管理法などを定めて、所内のPET薬剤委員会の承認を得て臨床使用を開始し、Test-retestから安定した参照領域法による計測法を定めた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (12件)
PLoS ONE
巻: 6 ページ: 17338
巻: 6 ページ: 17723
J. Nucl. Med.
巻: In press
Nucl.Med.Biol.
巻: in press
Acta Neurol. Stand.
巻: 122 ページ: 46-51