研究課題
昨年に引き続き、5Mega Heat Unit(MHU)高熱容量擬似単色X線源と高精細撮像システムから構成される微小血管造影装置を研究・開発した。並行して脳血管予備能障害モデルを作成した。1.高熱容量化回転セリウム陽極X線発生装置の研究・開発高熱容量化回転セリウム陽極X線発生装置を実現することが本研究の目的である。真空下にX線管球の陽極表面にセリウムを溶着することでセリウムの酸化を防ぐことを試みた。陽極の基材にはモリブデンを用い、回転陽極の形状に仕上げた。インテグラル軸受け型ユニット(日立メディコ社)を採用して、X線発生時に高速で陽極を回転させることにより、セリウム表面の温度上昇を回避し、陽極の融解を抑えた。ガラス外囲器で囲まれたX線管に陽極を組み込む工程では、不活性ガスを流してセリウムを冷却しつつガラスを溶融することで酸化を防止した。これらの工程を経て作成したX線管球を5MHUの発生装置と連結させて負荷試験(短時間高電流曝射試験、低電流長時間曝射試験)、焦点撮影、フィラメント電流-フィラメント電圧特性、フィラメント電流-フィラメント電圧特性、フィラ電流-管電流特性を検討してX線発生装置の機能を評価した。2.X線検出器の開発X線検出器には、高解像度CMOS-フラットパネルディスプレー(浜松ホトニクス)、またはイメージングプレート(富士フィルム社)を用いる。これらの検出器は50μmのピクセルサイズを有する。3.大動物脳血流予備能障害モデルの作成平成21年度以降の.本装置による大動物脳血流予備能評価に使用する実験モデルを作成した。ヒトに近似する体厚をもつ動物として雑種成犬(体重25kg)を用いる。脳血流予備能障害の作成には大量のマイクロスフェアー(直径15μm)を片側の内頸動脈に注入する。本年度はラット脳虚血モデルを作成した。
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