研究課題/領域番号 |
20390337
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 昌史 東北大学, 国際高等研究教育機構, 准教授 (50400453)
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研究分担者 |
里見 進 東北大学, 大学病院, 教授 (00154120)
檜尾 好徳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10282071)
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キーワード | 移植・再生医療 / 糖尿病 / 細胞・組織 / 膵島 |
研究概要 |
膵島移植は安全・簡便・低侵襲といった多くの利点を備えた患者に優しい画期的糖尿病治療法であるため、欧米の一部では既に保険適応となっている。しかし、一人の患者の治癒に複数ドナーを要するという致命的課題を有しているため、ドナー不足が深刻な我が国においては一般医療に至っていないのが現状である。本研究においては我々のこれまでの移植後早期グラフト障害に関する詳細な研究成果に基づき、分子生物学・免疫学・移植外科学・内分泌学の最新知見を革新的に融合させ、独創的な着眼に基づく多角的アプローチの導入により膵島グラフトの生着促進を試みることを目的としている。本年度は、まず補体阻害ペプチド導入による、副作用を伴わない早期グラフト障害の制御に関し研究を行った。その結果、膵島移植後、補体のkey factorであるC5aがホストの好中球におけるC5aレセプターと結合することにより、凝固活性のイニシエーターである組織因子が活性化され、移植グラフト近傍での凝固活性の更新が引き起こされ激しいグラフト障害が惹起されることが判明した、また、それらの反応は、C5a阻害ペプチドの導入により効果的に制御し得ることも併せて判明した。今後、本知見を臨床応用へ繋げていくため、前臨床モデルである大動物を使用し検討を継続していく予定である。また、本年度は吸入麻酔導入による膵島グラフトの肝内リモデリング効果に関しても検討を進め、移植後のグラフト局在に移植中の麻酔の有無が大きく関与していることを見出した。本プロジェクトに関しては、最終年度となるH22年度も大動物モデルを使用し検討を継続していく予定である。
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