研究概要 |
外科療法を含めて,現在行われている癌に対する治療は,癌のみではなく正常組織にも障害を及ぼす.この点を克服するために神奈川大学理工学部の川口研究室との共同研究を行い,外部から強い磁界を印加すると中心に存在する磁性体が発熱して薬剤を放出する機能性微粒子を試みた.昨年度に引き続きポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)を温度感受性材料として,また外部磁界印加に反応して発熱する材料としてフェライト粒子を用いて複合粒子を作成した.粒子の作成はPNIPAMシェル/PGMAコアのマイクロゲルを作製した後に,粒子内で磁性体を生成する方法を用いた.粒子の大きさは約50nmとした.今年度は秋田大学工学資源学部の協力のもと外部磁界を印加した時の粒子の発熱特性を検討した.磁界を最大の600A,周波数は189kHz,磁束密度は42mTの条件で印加したが,十分な発熱が得られなかった.そのためフェライト量の調整が必要で来年度の課題となった.また抗癌剤としてメトトレキセートを検討中である.
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