研究課題/領域番号 |
20390343
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土岐 祐一郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20291445)
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研究分担者 |
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00301268)
藤原 義之 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40314330)
宮田 博志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80362713)
山崎 誠 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50444518)
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キーワード | グレリン / 上部消化管手術 / 体重減少 / 手術侵襲 / 胃癌 / 食道癌 |
研究概要 |
上部消化管癌手術において経口摂取障害、体重減少は最も重篤な後遺症である。本研究では、食欲増進ホルモン・グレリンが胃切除、胃管再建により低下することが、その主たる原因と考え、グレリンを補うことにより経口摂取障害、体重減少を改善すること目的している。 昨年度までに胃全摘術後患者20名に対し、術後10日間のグレリン投与(3・g/kg1日2回)のランダム化比較試験を行った。グレリン投与群は食欲(VAS)、摂取カロリー、体重に於いてプラセボ群に優っていた。また体組成として脂肪は減少するが除脂肪体重は減少しにくい傾向を認めた。また、食道癌胃管再建患者についても同様のデザインの試験を行い、同様に食欲、摂取カロリー、体重の改善を認めた。これらについて論文を作成し報告した。また、胃切除後長期経過し体重減少を示す患者にグレリン投与で体重が回復するか否かの試験についても継続して行っている。またグレリンの長期投与に向けて皮下注製剤の開発も進めている。 食道癌術後ではグレリンは胃全摘ほど低下しないが,体重減少はより高度である。食欲増進以外のグレリンの抗炎症・抗侵襲作用が原因となっている可能性が示唆される。食道癌術後のグレリンの変動を経時的に測定し、術後SIRS期間、異化期間との関係などを検討している。 胃全摘の標本を用いてグレリン産生細胞の分布と血中グレリン、萎縮性胃炎、ピロリ菌感染などとの関係を調べるグレリンマッピングの研究を開始し、現在までに12例のマッピングを終わっている。グレリン産生細胞の分布は個人差が極めて大きい。さらにホルモンなどの測定を加えて論文作成する予定である。
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