研究概要 |
本研究では体系的な遺伝子・タンパク発現からみた発生・転移・再発に関与する数種類のkey分子の同定と、特異的メタボライト解析から治療応答性に関与する分子を同定し、臨床応用化することを計画している。 体系的な遺伝子・タンパク発現解析について、本年度は、大腸癌患者の術後肝・肺再発において特異的発現する23種類の分子について、mRNA、蛋白発現を、RT-PCR、Western Blotting, IHCでも発現を確認し、うち6種で肝・肺転移に特異的発現を示すことが検証された。また4種の分子については、末梢血中にleakしていることを確認し、ELISA法でも大腸癌患者100名、健常者100名のblind testで両者に有意差があることを検証した。さらに大腸癌の代表的な腫瘍マーカーであるCEA, CA19-9との発現とも独立した発現パターンをとることが判明し、さらに簡便な血中動熊の測定系を構築する予定である. 特異的メタボライト解析、健常者の中からの大腸癌を発見する検診レベルでの血清バイオマーカーとじて向定した6種類めメタボーライトがVitamin Dの代謝産物であることを解明した。これらはいずれも癌患者で低発現しており、また術後もその発現量に大きな変動がないことより、これらのメタボラノトはタンパク発現系と異なり体質診断をしている可能性があることを検証した。また、大腸癌患者に対する5FU base+CPT-11,OHPなど薬剤感受性・耐性獲得に関与するバイオマーカー、直腸癌患者に対する放射線感受性性に関与するバイオマーカーを探索する予定である。今後、一定のsubpopulationを個別予測できる診断システムを構築し、現在prospectiveに症例を集積している
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