研究分担者 |
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
中村 雅史 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30372741)
佐藤 典宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20423527)
小島 雅之 九州大学, 大学病院, 助教 (90380394)
久保 真 九州大学, 大学病院, 助教 (60403961)
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研究概要 |
本研究の主目的は、「Notch分子とは異なるγ-secretaseの作用分子」を同定し、新規の大腸癌特異的治療標的分子として臨床応用のレベルへ展開させることである。本年度の当初計画とその成果について報告する。 1.γ-secretase作用分子の網羅的解析:1)大腸癌細胞を標的細胞とし、Taxane系薬剤単独、およびTaxane系薬剤+γ-secretase阻害剤で処理し、DNAアレイ解析を実施した結果、候補遺伝子として細胞周期関連遺伝子が多数抽出されたが、未だ、絞り込みには至っていない。しかし、ほぼ同様の作用が膵癌細胞の一部で認められることが判明(日本外科学会にて一部報告)し、DNAアレイ解析を実施。この両DNAアレイ解析結果より候補遺伝子の絞り込みを開始。2)各種阻害剤でTaxaneによるアポトーシスを増強する経路にAkt経路の関写が明らかとなり(AnticancerRes,2009),候補分子としての解析を始めた。 2.候補分子の選定:上記結果より、既存のγ-secretase作用分子(E,N,VE-cadherin,CD44,Syndecan,EphB,APPなど)、γ-secretase構成分子(presenillin,nicastrin,Aph-1,Pen-2)、アポトーシス関連分子を中心に候補分子の選定を試みているが、本年度は見出すことができていない。 3.細胞レベルでの検索:候補分子の絞り込みができなかったため、計画通りに進行しなかった場合の計画にしたがって、他の癌腫を検討し、膵癌細胞の一部に同様の機序が稼働していることを新たに見出し(日本外科学会にて発表)、並行して研究を遂行してきた。
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