大腸癌特異的な標的分子(ガンマ・セクレターゼ作用分子)の同定と臨床応用への展開

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20390361
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 消化器外科学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 山口 幸二 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (50191226)
• 研究分担者: 片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203) ; 中村 雅史 九州大学, 大学病院, 講師 (30372741) ; 森崎 隆 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (90291517) ; 大西 秀哉 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30553276) ; 佐藤 典宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20423527) ; 小島 雅之 九州大学, 大学病院, 助教 (90380394) ; 久保 真 九州大学, 大学病院, 助教 (60403961)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 大腸癌 / 膵癌 / gamma secretase (GS)複合体 / GS 阻害剤 / Taxane / アポトーシス / 分子標的治療 / 細胞周期

研究概要

大腸癌および膵癌のタキサン系薬剤に対する感受性をガンマ・セクレターゼ(GS)複合体が酵素活性依存性および非依存性に制御していることを初めて明らかにした。酵素活性依存性経路はNotchシグナル非依存性である。興味深いことに、GS複合体はGS非依存性に細胞周期を制御している可能性が示された。得られた成果は、GS複合体が大腸癌および膵癌に対する新規の治療標的である可能性を明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Gamma-secretase complexes regulate the response of human pancreatic ductal adenocarcinoma cells to taxanes. (2010)
  • 著者名/発表者名: Tasaka T, Akiyoshi T, Yamaguchi K, Tanaka M, Onishi H, Katano M
  • 雑誌名: Anticancer Res 30 ページ: 4999-5010
  • 査読あり
• [雑誌論文] Inhibition of Wnt signaling pathway decreases chemotherapy-resistant side-population colon cancer cells. (2010)
  • 著者名/発表者名: Chikazawa N, Tanaka H, Tasaka T, Nakamura M, Tanaka M, Onishi H, Katano M
  • 雑誌名: Anticancer Res 30 ページ: 2041-2048
  • 査読あり
• [雑誌論文] A protein-bound polysaccharide, PSK, enhances tumor suppression induced by docetaxel in a gastric cancer xenograft model. (2009)
  • 著者名/発表者名: Yamasaki A, Shoda M, Iijima H, Nagai S, Wada J, Suzuki H, Chikazawa N, Tasaka T, Kameda C, Tanaka H, Ikebe M, Jo E, Sato N, Nakamura M, Sekine F, Morisaki T, Katano M
  • 雑誌名: Anticancer Res 29 ページ: 843-850
  • 査読あり
• [雑誌論文] Enhancement of paclitaxel-induced apoptosis by inhibition of mitogen-activated protein kinase pathway in colon cancer cells. (2009)
  • 著者名/発表者名: Xu R, Sato N, Yanai K, Akiyoshi T, Nagai S, Wada J, Koga K, Mibu R, Nakamura M, Katano M
  • 雑誌名: Anticancer Res 29 ページ: 261-270
  • 査読あり
• [雑誌論文] Gamma-secretase inhibitors enhance taxane-induced mitotic arrest and apoptosis in colon cancer cells. (2008)
  • 著者名/発表者名: Akiyoshi T, Nakamura M, Yanai K, Nagai S, Wada J, Koga K, Nakashima H, Sato N, Tanaka M, Katano M
  • 雑誌名: Gastroenterology 134 ページ: 131-144
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dual blockade of phosphatidylinositol 3'-kinase and mitogen-activated protein kinase pathways overcomes paclitaxel-resistance in colorectal cancer.
  • 著者名/発表者名: Xu R, Nakano K, Iwasaki H, Kumagai M, Wakabayashi R, Yamasaki A, Suzuki H, Onishi H, Katano M
  • 雑誌名: Cancer Lett in press
  • 査読あり
• [学会発表] 膵癌における新たな治療標的分子:Presenilin (2010)
  • 著者名/発表者名: 田坂健彦
  • 学会等名: 第23回日本バイオセラピィ学会総会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
  • 年月日: 2010-12-10
• [学会発表] Wntシグナル阻害による大腸癌の抗癌剤耐性克服:siRNA療法の可能性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 近沢信人
  • 学会等名: 第110回日本外科学会総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場
  • 年月日: 2010-04-10
• [学会発表] 膵癌に対する新たな治療戦略:Paclitaxel/g-secretase阻害剤併用療法の可能性と機序解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田坂健彦
  • 学会等名: 第110回日本外科学会総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場
  • 年月日: 2010-04-09
• [学会発表] g-secretase阻害剤の膵がん治療への応用の可能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 田坂健彦
  • 学会等名: 第22回日本バイオセラピィ学会総会
  • 発表場所: スイスホテル南海大阪
  • 年月日: 2009-11-27
• [学会発表] WntシグナルによるABCトランスポーター発現制御:大腸がんの薬剤耐性克服への応用 (2009)
  • 著者名/発表者名: 近沢信人
  • 学会等名: 第22回日本バイオセラピィ学会総会
  • 発表場所: スイスホテル南海大阪
  • 年月日: 2009-11-26
• [学会発表] PI(3)キナーゼ経路阻害による大腸癌細胞のPaclitaxel感受性亢進 (2009)
  • 著者名/発表者名: 徐睿
  • 学会等名: 第22回日本バイオセラピィ学会総会
  • 発表場所: スイスホテル南海大阪
  • 年月日: 2009-11-26
• [学会発表] 膵癌における新たな治療標的分子:g-secretase (2009)
  • 著者名/発表者名: 田坂健彦
  • 学会等名: 第109回日本外科学会総会
  • 発表場所: 福岡国際会議場
  • 年月日: 2009-04-04
• [学会発表] g-secretaseを標的とした新たな膵癌治療法の開発 (2008)
  • 著者名/発表者名: 田坂健彦
  • 学会等名: 第21回日本バイオセラピィ学会総会
  • 発表場所: 東京ドームホテル
  • 年月日: 2008-11-19
• [学会発表] MAP, PI(3)経路阻害による大腸癌Taxol感受性亢進 (2008)
  • 著者名/発表者名: 徐睿
  • 学会等名: 第21回日本バイオセラピィ学会総会
  • 発表場所: 東京ドームホテル
  • 年月日: 2008-11-19
• [学会発表] Wntシグナルを標的とした薬剤抵抗性大腸癌治療法の可能性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 近沢信人
  • 学会等名: 第21回日本バイオセラピィ学会総会
  • 発表場所: 東京ドームホテル
  • 年月日: 2008-11-19
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://WWW.tumor.med.kyushu-u.ac.jp/