目的・手法(計画) 本研究の目的は、ウサギ脊髄虚血モデルを用いて脊髄虚血再潅流障害における活性化グリア細胞の寄与を研究することであり、そのために脳虚血再潅流障害モデルで既に関与が示唆されているS100B、GDNF、炎症性サイトカイン、iNOS等の発現とグリア細胞活性化との関連を免疫染色やWesternblot等の手法を用いて検証する。 また、遅延性脊髄障害におけるアポトーシスの寄与を検証するため、Caspase等の発現も評価する。 成果 ウサギ脊髄虚血モデルはすでに確立された実験系であり、遅延性脊髄障害とグリア細胞(星状膠細胞)活性化の間に有意な相関関係があることが証明された。 一方でウサギに用いることが可能な抗体は限られており、メカニズムの解明に有用と思われるcaspaseやiNos、GDNF等に対する抗体は入手しづらい(市販されていない)。 このため本実験系を用いた詳細なメカニズム解明は困難が予想されるため、様々な抗体が商業的に入手可能であるラットを用いて同様の研究を行うこととした。 現在ラットを用いた新たな実験系を確立するための予備実験を行っているところである。 具体的には、 1. 麻酔法の確立(循環動態・呼吸状態の観察) 2. 致死性脊髄虚血・非致死性虚血となる虚血時間、温度の設定 3. 腸管虚血を来さず脊髄虚血のみを来す条件の設定 4. ウサギモデルと同様のグリア細胞の変化がみられるかの検証
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