研究課題/領域番号 |
20390364
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平松 祐司 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30302417)
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研究分担者 |
揚山 直英 医薬基盤研究所, 霊長類医科学研究センター, 研究員 (50399458)
榊原 謙 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60192085)
長谷川 雄一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00251059)
徳永 千穂 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30451701)
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キーワード | 体外循環 / 組織因子 / 単球 / 外科 / TFPI |
研究概要 |
カニクイザル体外循環モデルにおいて、高濃度内因性total TFPIの血中誘導とPDE(phosphodiesterase)IV阻害剤添加により可溶性組織因子と単核球の活性化を薬理阻害し、体外循環の主要凝固系路として近年注目されている外因系凝固を可及的に遮断することにより、凝固\炎症反応を制御する新たな抗凝固手段を確立することを目的としている。 霊長類医科学研究センターにて、体重5kgのカニクイザルを用いて体外循環実験を行った。全身麻酔下に60分間の心停止を含む120分間の軽度低体温体外循環をおこない、3群に分けた。【コントロール群】;通常の体外循環に準じてヘパリン3mg/kgを静脈内投与。心停止後モ右心房から採取した血液を心嚢内に30分間留置し、心嚢での可溶性組織因子発現を惹起。【内因性TFPI誘導群】;手術開始10分前にヘパリン3mg/kgを静脈内投与することにより、あらかじめ内因性totalTFPIを誘導し、可溶性組織因子阻害効果を高めた。内因性TFPI誘導+PDEIV阻害薬群】;内因性total TFPIを誘導による可溶性組織因子阻害+PDEIV阻害薬roripralnによる単球活性化阻害をおこない、外因系凝固系路の主要活性化過程の遮断を試みた。3群で経時的に、トロンビン産生に関する血中TATとF1.2、血小板機能に関する血小板ADP凝集能、microparticleとGMP-140、線溶に関するD-dimer等を計測した。各群の血中totalTFPIと組織因子ならびに可溶性組織因子の経時的変化も観察した。 初年度であり、実施実験数が少なく統計解析を施す段階にないが、目的に即した外因系凝固阻害効果がTFPI早期誘導によって.得られる可能性が示唆された。高濃度TFPI血中誘導は新たな体外循環中の抗凝固戦略となり得る。実験を重ね、検証を深く進める方針である。
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