研究課題/領域番号 |
20390369
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松岡 順治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30332795)
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研究分担者 |
猶本 良夫 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00237190)
山辻 知樹 岡山大学, 大学病院, 助教 (40379730)
深澤 拓也 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20379845)
小野 俊朗 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 准教授 (50185641)
樅木 勝己 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 准教授 (70304615)
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キーワード | 肺癌 / Surfactant protein A / Thyriod transcription factor 1 / グルココルチコイド |
研究概要 |
肺癌特異的転写システム:TTS (TTFI gene under the control of hTERT promoter and human SPAl promoter)によりElAまたBidを発現するAdenoviral vector : Ad-TTS/EIA、Ad-TTS/EIA Bidは、肺腺癌細胞株(A549・H441)にて特異的細胞死を誘導した。一方でhTERT活性の低いヒト正常肺繊維芽細胞(NHLF)での細胞死は肺癌細胞に比し低値であった。TTS:はGlucocorticoid依存性転写抑制部位を含み、Ad/TTS-ElAまたAd/TTS-Bid感染肺癌細胞における細胞死はDexamethazone投与により著明に抑制された。 ICRマウスにおよびAdenoviral vector : Ad-CMV/LacZを用いた検討において、肺胞サーファクタントはAd-CMV/LacZ経気管投与後の肺内におけるLacZ遺伝子の発現領域および強度ともに顕著に増強させることが可能であった。一方で肺胞サーファクタント未使用群では、遺伝子発現領域および強度は制限された。 ドキシサイクリン投与により肺癌を発症するマウス: CCSP-rtTA/Tet-op-K-Ras4bG12Dにおいて肺胞サーファクタントおよびAd/TTS-EIAの経気管投与後、肺癌部に特異的なAd/TTS-ElAの増殖が確認された。 上記の検討により、肺癌特異的転写システムを用いたアデノウイルス製剤および肺胞サーファクタントの併用、さらに必要時にウイルスの機能を遮断できるDexamethazoneを使用することで、安全性の高い新規肺癌治療法の開発が可能となることが示唆された。
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