研究概要 |
マウス内における18F-acetateの毒性を調べるために、18F-acetateをマウス3匹に約3MBq、尾静脈より投与し、一日後に採血をした結果、腎機能、肝機能差に異常な無かった。さらに18F-acetateをマウス3匹に平均3MBq、尾静脈より投与し1週間経過を見たが、外見の健康状態に問題は認められなかった。 さらにマウス内における18F-acetateの体内分布を調べるために18F-acetateを、マウス3匹に平均3MBq、尾静脈より投与し、1時間後に屠殺し、肺、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、骨、心臓を取り出し、組織内の放射活性を液体シンチレーションカウンターにて測定した結果、どの臓器においても放射活性はほとんど無かった。11C-acetateが最も分布する膵臓においても、18F-acetateはマウスの膵臓に分布しなかった。これらの実験結果より、18F-acetateはその代謝動態において11C-acetateとは異なり、Acetate-PETのトレーサーキしては適さないことが判明した。 胸腺腫患者40例において18F-FDG-PET11C-acetate-PETを行い、胸腺腫各組織型における両トレーサーの分布を検討した。術前に18FーFDG-PETと11C-acetate-PETを行い、組織型の関連性を調べた。18F-FDGはC型胸腺腫においてA-B3型の胸腺腫より高い集積度を示した(p=0.001-0.048)。llC-acetateはA/AB型胸腺腫において他のB1-C型胸腺腫より高い集積度を示した(p<0.001-p=0.002)。FDG集積度が6.3以下でacetate集積度が5,7以下の胸腺腫は全てB1-B3型であった。これらより18F-FDG-PETと11C-Acetate-PETを胸腺腫の術前に検査することにより、組織型を予測できることが判明した。
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