研究課題/領域番号 |
20390373
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
松村 剛毅 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20297469)
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研究分担者 |
小沼 武司 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40307559)
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40231451)
市原 有起 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20531362)
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キーワード | 再生医療 / ティッシュエンジニアリング / 医療材料 / 生体吸収性素材 / 再生血管 / 生力学的試験 / 超音波イメージング / 先天性心疾患 |
研究概要 |
細胞を用いず生分解性素材のみで再生血管の作成を可能とする素材の条件の探究と開発を行った。分解速度、物理強度、形状の異なる素材を組み合わせを最適化することで、細胞を用いなくても格段の開存性を得ることが可能となった。 径8mmの生分解性素材を実験動物の下大静脈に移植した。埋植後、1ヶ月以降は抗凝固剤を一切使わず、2年を経過した時点でのカテーテル検査、圧較差測定し、さらに摘出した組織の検討を行った(n=7)。その結果、開存性(100%)、合併症(血栓症、腹水)の出現はなく、右心房一下大静脈間の有意な圧較差はなく(meanで0.5mmHg)、組織学的検討では従来と変わらない組織像であった。また組織学的に石灰化は認められず、生力学的試験では正常と比して約9割の弾性力を有する(1年、1.5年と経時的に見ても有意な変化なし)という結果を得た。再生血管の新たな評価システムとして開発した圧カテーテル(Millar)と血管内超音波カテーテルによる再生血管内弾性率評価法が再生血管の経時的な変化を反映し、動物を犠牲死させることなく2年以上の長期期間経過観察した。本研究により再生血管の組織学的再生度を推測可能になったばかりか、実験動物の犠牲を減らすことが可能となり、また生体内における再生血管の経時的変化を客観的に示すことが可能となった。 次年度はさらに長期の観察期間を設け、より遠隔期の再生血管の評価を行う予定である。また今回得られた組織のさらなる詳細な検討(生化学的検討を含む)を行い、組織の再生度(正常組織との比較)を検証する予定である。
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